マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

「SETI」は「SETI」でも別の「SETI」

 ――ヒトの性質の最大の特徴は、知性が概して外向的である一方で、無視はできないくらいに内向的でもある点にある。

 ということを、きのうの『道草日記』で述べました。

 

 この特徴は――

 ヒトが――

 ここ数十年にわたって、

 ――地球外知性の探査(Search for Extra Terrestrial Intelligence, SETI

 に一定の関心を持ち続けていることの証左であるように――

 僕には思えます。

 

 少なくとも――

 SETIは、その活動を続けるためには、

 ――知性とは何か。

 とか、

 ――生命とは何か。

 とかいった問い――多分に人文科学的な問い――に真剣に向き合う必要があるという意味で――

 十分に内向的です。

 

 もし、ヒトの知性に内向的な要素が有意に含まれていなかったとしたら――

 ヒトは、「SETI」は「SETI」でも別の「SETI」――全く異なるSETI――に乗り出していたと想像をします。

 

 ――地球外利害の探査(Search for Extra Terrestrial Interests, SETI

 です。

 

 例えば、

 ――地球外に自分たちの利益となりうる資源はないか。

 とか、

 ――地球外に自分たちの損害となりうる脅威はないか。

 とか――

 

 地球外にも自分たちと同じような知性が存在をするのか否かなどには、一切お構いなしに――

 ただ、ひたすらに自分たちの科学技術を研ぎ澄ませ、それを有効かつ効率的に用いようとすることで、自分たちの政治や経済の活動網を地球外へ大いに広げようとするでしょう。

 

 その過程で、

 ――地球外知性

 に出会う可能性は、もちろん、ありますが――

 それは、

 ――地球外利害のSETI

 においては、ただの副次産物に過ぎません。