――生理学は本当に自然科学なのか。
ということを――
きのうの『道草日記』の末尾で問いました。
最初に述べておくと――
今日、生理学は自然科学とみなされています。
現在、生理学の研究に携わっている人たちで、自分たちを自然科学者ではないと思っている人は、皆無に近いでしょう。
実際に、生理学の研究の殆どが、
――実験や観察に基づく仮説の検証
という自然科学の手法を採りいれています。
よって、あきらかに、
――今日の生理学は自然科学である。
といえます。
が――
そのことを認めた上で、
――生理学は本当に自然科学なのか。
と問いたいのです。
出自の話です。
2019年10月22日の『道草日記』で――
僕は、
――中世のヨーロッパでは、「人文科学・社会科学・自然科学」の区分は明確ではなく、代わりに「哲学・神学・医学・法学」の区分が採用されていたと考えられる。
と述べました。
生理学は医学の分野です。
医学は自然科学が確立される遥か前から存在します。
よって、
――生理学は本当に自然科学なのか。
と問いたくなるのです。
……
……
結論からいえば、
――生理学は本当に自然科学である。
と、僕は考えています。
2019年10月22日の『道草日記』で――
僕は、
――哲学の一部と神学の一部と医学の一部とが一緒になって自然科学になったと考えられる。
と述べました。
その際に、生理学は「医学の一部」として自然科学を構成するに至った、と――
僕は考えています。
つまり、
――生理学は、かつては医学の一分野であり、現在は医学の一分野であると同時に自然科学の一分野でもある。
ということです。
――生理学は本当に自然科学である。
というときに――
以上の出自を無視するようなことはしないほうがよい、と――
僕は考えています。
そして――
この出自こそが、
――生理学は自然科学の女王である。
といういい方に、少なからず関わってくるのです。
……
……
続きは、あす――