――恋愛は、芸術が扱う主題として、頭抜けて多い。
ということを、きのうの『道草日記』の中で述べました。
これは、なぜなのか――
理由は2つあります。
1つは、恋愛が極めて主観的で切迫性のある体験であること――
自分の恋愛感情を冷静かつ緩徐に客観視することは、誰にとっても困難です。
もう1つは、芸術が「わかる人にはわかる」という営みであること――
芸術は、学問と違って、主観的な視点や動機が大切にされます。
つまり、
――恋愛と芸術とは相性が良い。
ということです。
……
……
もちろん――
恋愛以外にも、芸術と相性がよい主題というのは、きっとあるでしょうが――
――では、それは何か。1つ挙げよ。
といわれたら――
僕は、ハタと困ってしまいます。