意識の働きの命題――
すなわち、
――“現在の感覚”が“過去の感覚”と絶え間なく照らし合わされて何らかの相関性が見出され続けることこそが、意識の働きである。
という命題は――
いわゆる、
――自我
について、大きな示唆を与えます。
それは、
――「自我」とは、“過去の感覚”の集積が脳や心の中に作り上げる何かである。
という示唆です。
きのうの『道草日記』でも述べたように――
ここでいう「過去の感覚」とは、あくまでも、
――“過去の感覚”が脳に残している何らかの痕跡
という意味です。
もちろん――
この示唆を受け入れたところで――
そのような脳の痕跡の集積が、自己はともかく、なぜ自我までをも形成しうるのか、という問いは残りますし――
その問いに答えを出すのは、容易ではありませんが――
――自我は“過去の感覚”の痕跡の集積を基にしている。
という洞察は――
例えば、
――自分を自分たらしめているのは記憶であり、記憶がなくなれば、自分が誰であるかは、わからなくなるはずだ。
といった日常生活に深く根ざした直観と密に関わっているように感じられます。
――“現在の感覚”が“過去の感覚”と絶え間なく照らし合わされて何らかの相関性が見出され続けることこそが、意識の働きである。
とみなすことで――
様々なことに、手がかりが得られます――その手がかりは、決して、
――確固たる足がかり
というわけではないのですが――