マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

“世界”は変わったが、“世界観”は変わっていない

 いわゆる新型コロナ・ウイルス感染症がもたらした危機的状況を体験し、

 (世界が変わるって、こういうことなんだなぁ)

 ということを実感しています。

 

 2011年の東日本大震災では――

 震災を身近で体験した人たちの多くが、

 ――世界観が変わった。

 と述懐しましたが――

 あのときに変わったのは、

 ――世界観

 であって、

 ――世界

 ではありませんでした。

 

 実は、僕自身、東日本大震災では直に被災していて、大津波なども間近でみた者の一人なのですが――

 あの震災によって、自分の職場や自宅の近辺は、たしかに様変わりしました。

 

 が――

 世界は変わらなかった――

 

 例えば、ヨーロッパやアメリカなどの社会状況について――

 東日本大震災を機に、何かが変わった――

 ということはなかったはずです。

 

 が――

 今般の新型コロナ危機では、ヨーロッパもアメリカも大きく変わっています。

 

 大勢の人たちがウイルスに感染をして亡くなっていて――

 その感染の更なる蔓延を防ぐために、都市封鎖などの強硬手段が採られていて――

 人々の日常は一変しています。

 

 たぶん、アジアやオセアニアやアフリカなども、状況は同じです。

 すでに大きく変わったか、あるいは、これから大きく変わるところ――でしょう。

 

 まさに、

 ――世界は変わった。

 という印象です。

 

 が――

 

 ――世界

 は変わったけれど、

 ――世界観

 のほうは変わっていないようです。

 

 少なくとも僕自身は――

 新型コロナ危機以前の尺度で、世界を観ようとしています。

 

 “世界”が変わり、それにつられて“世界観”まで変わったら――

 何が何だかわからなくなるので――

 それを恐れて――

 新型コロナ危機以前の世界観に、はっきり意識することなく、拘泥してきたのかもしれません。

 

 そのことに――

 きょう、気づきました。