マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

感染者数と感染確認者数との乖離

 感染症が国や地域にどれくらい蔓延しているかを知る上で、最も直接的に有用な指標は、

 ――感染者数

 でしょう。

 

 が――

 この“感染者数”――

 実態は、なかなかわかりません。

 

 実態が確実にわかるのは、

 ――感染確認者数

 です。

 

 これは、比較的容易にわかります。

 しかるべき検査を受け、病原体の検出について、

 ――陽性

 の結果が得られれば――

 それをもって、

 ――感染確認者

 といえるからです。

 

 他方、

 ――感染者

 は、そうはいきません。

 

 実際には感染をしていて、直ちに「感染者」とみなされるべきなのですが――

 しかるべき検査を受けていないがゆえに、「感染確認者」とみなされず、ひいては「感染者」ともみなされない――あるいは、検査で誤って「陰性」と判定されたがゆえに、「感染確認者」とみなされず、ひいては「感染者」ともみなされない――

 そういうことが、いくらでも起こりえます。

 

 いわゆる新型コロナ・ウイルス感染症の報道をみていると――

 この「感染者数」と「感染確認者数」とが、今、世界各地で混同されているようにみえ――

 かなり気になっています。

 

 僕らが知りたいのは、

 ――感染者数

 です。

 

 が――

 知るうるのは、

 ――感染確認者数

 だけです。

 

 両者の乖離は――

 しかるべき検査の手法が確立されていれば、とくに問題とはなりません。

 

 ここでいう「しかるべき検査」とは――

 正確な結果が得られる検査――十分に高い確率で感染者から病原体を検出し、非感染者から病原体を検出しない検査――で――

 かつ――

 安全に実施できる検査――実施することで、かえって感染拡大を招くようなことのない検査――です。

 

 僕は、

 ――新型コロナ・ウイルス感染症では、しかるべき検査の手法が確立されていない。

 と考えています。

 

 いわゆるPCR(polymerase chain reaction)検査は、正確な結果が得られにくいという難点があります。

 誤って「陽性」と判定される確率は無視できるとしても、誤って「陰性」と判定される確率が30~70%とみつもられています。

 

 そして――

 何よりも恐ろしいのは、PCR検査が実施される過程で、新たな感染者を出してしまいかねないことです。

 

 例えば――

 PCR検査を受けようと人々が集まったところで集団感染が起こりかねない――

 

 あるいは――

 PCR検査を実施する医療従事者――とりわけ、検体を被験者の鼻咽頭から採取する医療従事者――が、実施中うっかりウイルスをもらってしまい、そのことに気づけず、実施後に、まだ感染していない人にうつしてしまう――

 ということも起こりかねません。

 

 欧米諸国で感染急増が立て続けに起きました。

 

 原因は色々と考えられるのですが、

 ――PCR検査の実施に拘泥した結果かもしれない。

 という懸念は、今のところ、誰にも否定はできないはずです。

 

 しかるべき検査でないのなら――とりわけ、安全に実施できる検査ではないのなら――

 安易に実施してはいけないのです。

 

 いずれにせよ――

 

 新型コロナ・ウイルス感染症については――

 しかるべき検査の手法が確立されていなく、感染者数と感染確認者数との乖離が想定されうる状況にあるということを――

 僕らは常に忘れないようにするのがよいでしょう。