疫病を考える上では、互いに独立である2つの次元、
拡縮次元
直間次元
の2つに着目をするとよい、ということを――
きのうの『道草日記』で述べました。
――拡縮次元
で考えるとは、
――疫病の影響をどの規模の範囲で捉えるか。
ということです。
個体として捉えるのか、生態として捉えるのか――
生態として捉えるなら、どれくらいの規模の生態として捉えるのか――
例えば、数人規模か、数百人規模か、あるいは、数万人規模か、数百万人規模か、数億人規模か――
一方、
――直間次元
で考えるとは、
――疫病による影響が直接なのか間接なのか。
ということです。
疫病は複雑な機序で発生し、蔓延しますから、その影響を純粋に直接であるとか間接であるとかと評することはできません。
あらゆる影響が、多少なりとも直接であり、間接であると考える必要があります。
よって、着目をするべきは、どれくらい直接的か、あるいは間接的かの比率――直間比率――です。
“拡縮次元”も“直間次元”も連続的です。
「個体」という概念と「生態」という概念は、なだらかに繋がっていますし、直間比率は「0:1」というように割り切れることは滅多になく、「1:4」や「3:7」、「5:5」のように曖昧です。
よって――
少なくとも大局的には――
定性的に判断をするしかない――
つまり、
――より個体的か、より生態的か
あるいは、
――より直接的か、より間接的か
で判断をするしかない――
ということになります。
重要なのは、
――定性的に――
ということです。
もちろん――
事態を詳細に捉えるには、
――定量的に――
であることが有効です。
が――
定量的に分析をし、判断をするには、どうしても時間がかかります。
疫病の対応には早さが求められます。
しかも、事態は日々、変化していく――
定量的に捉えていく暇はないのです。