いわゆる新型コロナ・ウイルスは、ヒトにとって最も新参の風邪ウイルスであり――
その次に新参の風邪ウイルスは、今から約 100 年前に出現したと考えられるインフルエンザ・ウイルスであろう――
ということを――
きのうの『道草日記』で述べました。
さらに――
病原性について比べると――
21世紀前半の今日では、あきらかに、
新型コロナ・ウイルス > インフルエンザ・ウイルス
であるけれども――
出現した当初の病原性で比べたら、
――甲乙つけがたいのではないか。
とも述べました。
この約 100 年の間に――
ヒトは、インフルエンザ・ウイルスに対して免疫をもつようになり――
また、インフルエンザ・ウイルスは、ヒトに対する病原性を弱める方向で進化してきた結果――
両者は共存をするようになったと考えられます。
ところで――
……
……
風邪ウイルスというのは――
当然ながら――
新型コロナ・ウイルスとインフルエンザ・ウイルスとの2種だけではありません。
ウイルスの種の数え方にもよりますが――
ざっと 100 ~ 300 種くらいの風邪ウイルスが存在していると考えられています。
それら風邪ウイルスの病原性は、新型コロナ・ウイルスやインフルエンザ・ウイルスに比べたら、いずれも大したことはないと考えられます。
普通の風邪は、新型コロナ・ウイルス感染症やインフルエンザよりも軽症ですから――
これは当たり前のことです。
これら風邪ウイルスの病原性が、なぜ新型コロナ・ウイルスやインフルエンザ・ウイルスの病原性よりも弱いのかというと――
それは、それら風邪ウイルスが新型コロナ・ウイルスやインフルエンザ・ウイルスよりも古参であるがゆえです。
出現した当初は――
いずれも、それなりに強い病原性をもっていたと考えられます。
その後、ヒトと互いに適応をしあった結果――
それら風邪ウイルスの病原性は一つ残らず弱まっていき、やがては共存に至った――
と考えられます。
ここで――
興味深いことに気づきます。
新型コロナ・ウイルスが最も新参の風邪ウイルスであり――
その次に新参の風邪ウイルスが、インフルエンザ・ウイルスであると考えられるように――
インフルエンザ・ウイルスの次に新参の風邪ウイルスというものも、おそらくは存在すると考えられます。
いま――
便宜上――
新型コロナ・ウイルスを、
CV(0)
と記し――
インフルエンザ・ウイルスを、
CV(1)
と記しましょう――「CV」は「風邪ウイルス」に相当する英語の言葉「cold virus」からとりました。
すると――
インフルエンザ・ウイルスの次に新参の風邪ウイルスは、
CV(2)
と記せます。
このとき――
ヒトにとって最も古参の風邪ウイルスというものが想定できます。
それを、
CV(n)
と記しましょう。
n は
100 < n < 300
をみたす整数です。
ここで、CV(n) と CV(n-1) との出現時期の差を考えます。
新型コロナ・ウイルスとインフルエンザ・ウイルスとの出現時期の差が約 100 年であることを考えますと――
CV(n) と CV(n-1) との出現時期の差は、それなりのバラつきはあるものの、おおむね100年であろうと考えられます。
よって――
ヒトにとって、最も古参の風邪ウイルスが出現したのは、今から 1 万~ 3 万年前ということになります。
今から 1 万~ 3万年前といいますと――
ちょうど、ネアンデルタール人が絶滅したと考えられる時期です。
ネアンデルタール人は、諸説があるものの、ヒト――つまり、現生人類――に最も近い生物種でした。
ヒトには、ネアンデルタール人以外にも、進化系統的に近い別の生物種が数多く存在していたと考えられています。
それら生物種は、
――ヒト属
に分類され、他の生物種からは区別されえます。
ネアンデルタール人が絶滅した後――
ヒトは、ヒト属の最後の生き残りとして、地球上での繁栄を極めてきました。
ヒトにとって最古参の風邪ウイルスが出現したのが、今から 1 万~ 3 万年前――
ヒトがヒト属の最後の生き残りとして繁栄を極めはじめたのも、今から約 1 万~ 3 万年前――
これは偶然の一致でしょうか。
……
……
誤解のないように述べますと――
以上は――
完全な素人である僕が――つまり、風邪ウイルスの専門家でもヒトの進化の専門家でもない僕が――勝手に想像していることです。
が――
(ひょっとすると、偶然の一致ではないのかも……)
と――
僕は思っています。