マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

ヒトの進化に“正のフィードバック”はかかるか

 ――“ブレイン・マシン・インターフェイス(brain machine interface)の実現”は、ヒトに“人らしからぬ厳密性の獲得”という進化をもたらしうるのか。

 という問いについて、考えています。

 

 この問いは――

 ブレイン・マシン・インターフェイスがマン・マシン・インターフェイス(man machine interface)の一つの形であることを認めるのなら――

 結局は、

 ――ヒトは、機械と繋がったことで、進化をしうるのか。

 という問いに等しいといえます。

 

 この点が少し気になっているのです。

 

 どういうことか――

 

 ……

 

 ……

 

 ヒトが機械と繋がりえたのは――

 ヒトが“人らしい社会性の獲得”を遂げ、自身の技術を――とりわけ、科学技術を――高めることができたからです。

 

 つまり、

 ――ヒトは、進化をした結果、機械と繋がった。

 ということです。

 

 よって、

 ――ヒトは、機械と繋がったことで、進化をしうるのか。

 という問いは、

 ――人は、進化をした結果、さらに進化をしうるのか。

 という問いに等しく――

 要するに――

 それは、

 ――ヒトの進化に“正のフィードバック(positive feedback)”はかかるのか。

 という問いに等しくなります。

 

 ――フィードバック(feedback)

 とは、

 ――帰還

 とも訳され、

 ――結果が原因に影響を与えること

 です。

 

 ――正のフィードバック

 は、

 ――結果の性状が原因の性状を強めること

 です。

 “正のフィードバック”がかかる場合は、結果の性状は、最終的には爆発的に強まることになります。

 つまり、

 ――振り切れる

 ということです。

 

 よって――

 もし、ヒトが機械と繋がったことで、さらに進化をしうるのなら、

 ――ヒトの進化は、いつかは振り切れる。

 ということになります。

 

 この場合の「振り切れる」が何を意味しうるのかは、あきらかではありませんが――

 たぶん、

 ――生物種の生存の可能性

 という観点からは――

 そんなに好ましいことではないでしょう。

 

 ひょっとすると――

 それは、

 ――自壊的な絶滅

 を意味しているのかもしれません。

 

 ――“ブレイン・マシン・インターフェイスの実現”は、ヒトに“人らしからぬ厳密性の獲得”という進化をもたらしうるのか。

 という問いは――

 そのような点で、少なからず憂鬱の様相を秘めています。