マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

“批判的思考”の教育は簡単に試みられるけれど……

 ――批判的思考

 とは――

 要するに、

 

  前提

   ↓

  論理1

   ↓

  論理2

   ↓

    :

   ↓

  論理n

   ↓

  結論

 

 の流れを重くみること、つねに念頭に置くことである――

 ということを、きのうの『道草日記』で述べました。

 

 このことを踏まえると、

 ――“批判的思考”の教育

 は――

 実は、どこでも手軽に、簡単に、試みることができます。

 

 僕は――

 3日前の『道草日記』で――

 親は、学校に対し、

 ――“批判的思考”をぜんぜん教えてくれない。

 などと文句をいうのではなく、

 ――子どもが“批判的思考”を学べるように親が導かねばならない。

 と達観をする必要がある――

 と述べました。

 

 では――

 親は、具体的に、どのようにすればよいのか――

 

 それは――

 普段の日常会話で、折をみて、

 

  前提

   ↓

  論理1

   ↓

  論理2

   ↓

    :

   ↓

  論理n

   ↓

  結論

 

 の流れに注意を向けさせることです。

 

 あるいは――

 この流れを、親自らが軽くみたり、拒んだりしないようにすることです。

 

 例えば、

 ――このオモチャを買って欲しい。

 と、ねだる子に――

 その要求は“結論”であることを諭し、なぜ、その“結論”に至るのかを自分で考えさせる――

 

 あるいは――

 その際に、子に対し、

 ――ダメなものはダメ!

 などと強圧的な“結論”を不用意に示さないようにする――

 とか――

 

 ……

 

 ……

 

 こういうと、

 ――オモチャ売り場で幼い我が子にワンワン泣かれてたら、そんな対応はムリ!

 と諦める親が、ほとんどだと思います。

 

 が――

 そこで簡単に諦めないのが、

 ――“批判的思考”の教育

 なのです。

 

 この場合――

 もし金銭的に許されるのなら――

 オモチャは、実は買い与えるほうがよいでしょう。

 

 買い与え、存分に遊ばせた上で、

 ――どうだった?

 と訊く――

 

 ――このオモチャは、本当に欲しいものだった?

 と――

 

 この振り返りが大切です。

 

 そのときに、

 

  前提

   ↓

  論理1

   ↓

  論理2

   ↓

    :

   ↓

  論理n

   ↓

  結論

 

 の流れに注意を向けさせる――

 

 なぜ、あのときオモチャ売り場で、

 ――このオモチャを買って欲しい。

 との“結論”に至ったのか――

 その際、“前提”は何であったのか――その“前提”を当時の自分はよくわかっていたか――今の自分はどうか――

 

 こうした振り返りを促していくことで――

 子は、自然と、

 ――批判的思考

 を学んでいきます。

 

 ただし――

 親は、そうした対応が可能となるように、つねに時間的および心理的な余裕をもっていなくてはなりません。

 

 ――ああ! もう、こんなときに何ねだってるの、この子は!

 などと思わないようにする――

 

 このことは、案外、

 ――“批判的思考”の教育

 の最大の難点かもしれません。

 

 つねに時間的および心理的な余裕をもっておくというのは――

 そんなに簡単なことではありません。