――日本人は“広い思考”が苦手であり、“狭い思考”が得意である。
ということを――
4日前の『道草日記』で述べました。
ここでいう――
“広い思考”とは、
――本質的思考(批判的思考)
や、
――創造的思考(逸脱的思考)
のことで――
“狭い思考”とは、
――改善的思考(拘泥的思考)
や、
――確認的思考(懐疑的思考)
のことです。
一方――
このこととは別に――
僕は――
2019年5月11日の『道草日記』で、
――日本人は不安を感じやすい体質らしい。
とも述べています。
厳密には、
――日本人は、不安の感受性を高める遺伝子をもっている人の割合が、外国人と比べ、有意に高いらしい。
ということです。
これら2つのことは――
互いに関連をしていると、いえるでしょうか。
……
……
僕は、
(関連をしている)
と考えています。
常に不安を抱えている人は――
“広い思考”よりも”狭い思考”にこもりがちです。
例えば――
本質的思考のように、論理的思考の始点と終点とに批判を加えるとか――
創造的思考のように、論理的思考の流れから逸脱をして夢想に耽るとか――
といったことよりも――
改善的思考のように、論理的思考の既存の枠組みに拘泥をし続けるとか――
確認的思考のように、論理的思考の確かさに繰り返し懐疑を抱くとか――
といったことに、より情熱を傾けやすい――
不安が強ければ――
論理的思考の前提や結論を見直したり、論理的思考の整然を壊したりすることに、躊躇を覚えます。
また――
不安が強ければ――
論理的思考の綻びを繕ったり、論理的思考の正しさを確かめ続けたりすることに、安心を覚えます。
不安は――
本質的思考や創造的思考のような“広い思考”には、ブレーキとなりえますが――
改善的思考や確認的思考のような“狭い思考”には、アクセルとなりうるのです。