マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

“批判的思考”の要点の3つめ

 ――批判的思考

 の要点には、

 ――前提の設定

 と、

 ――結論の導出

 との2つがある――

 ということを、7月16日の『道草日記』で述べました。

 

 実は――

 もう1つ要点があります。

 

 それは、

 ――前提の導出

 です。

 

 あるいは、

 ――前提の遡及

 といったほうが、よいかもしれません。

 

 ……

 

 ……

 

 ――前提の導出

 あるいは、

 ――前提の遡及

 とは何か――

 

 ……

 

 ……

 

 簡単にいうと、

 ――結論の導出や論理の展開の様子をもとに、無意識に設定をされてしまった前提を見つけ出すこと

 です。

 

 例えば――

 誰かによってなされた“論理の展開”や“結論の導出”を辿っていて、

 ――え? 本当?

 とか、

 ――なんか変だぞ。

 とかと感じた際に――

 いきなり、

 ――この“論理の展開”は間違っている!

 とか、

 ――この“結論の導出”には意味がない!

 とかと難詰をするのではなく――

 少し間をとって、

 ――いったい何が前提として設定をされているのだろう?

 とか、

 ――無意識に設定をしてしまっている前提があるのでは?

 とかと吟味をすることです。

 

 この“前提の導出”は“論理の展開”を逆に辿ることでもたらされます。

 

 考えの終着点である主張や見解や仮説、あるいは、その考えの通過点である分析や判断や推測を踏まえ――

 その考えを遡っていくことで――

 考えの出発点になっていると思しき事実や原理や仮定を突き止めていきます。

 

 この“前提の導出”を他者の考えに当てはめれば――

 それは、しばしば論破の方法論となります。

 

 他者が無意識に設定をしてしまっている前提に問題があることを示せれば――

 その他者の考えの全部ないし一部を否むことができるからです。

 

 一方――

 この“前提の導出”を自分の考えに当てはめれば――

 それは、しばしば内省の方法論となります。

 

 自分が無意識に設定をしてしまっている前提に問題があることに気づけば――

 その自分の考えの全部ないし一部を直すことができるからです。