マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

宇宙活劇は▽▽を考え、△△を選ばず――自然科学は△△を考え、▽▽を選ばず――

 ――宇宙活劇(space opera)と自然科学とは、一見、相性が良さそうで、実は、ぜんぜん良くない。

 ということを――

 きのうの『道草日記』で述べました。

 

 鍵となるのは、

 ――超光速航法

 です。

 

 宇宙活劇は――

 自然科学が、少なくとも現時点では、

 ――実現をしえない。

 と結論づけている、

 ――超光速航法

 の設定に――

 寄りかかっています。

 

 このことについて――

 もう少し普遍的に述べるならば――

 

 宇宙活劇は、

 ――目的を達するために手段を考える。

 が基本です。

 

 ここでいう「目的」とは、

 ――活劇の物語の受け手を楽しませる。

 です。

 

 また――

 ここでいう「物語の受け手」とは、

 ――宇宙活劇の愛好家

 です。

 

 よって、

 ――宇宙活劇の愛好家をいかに楽しませるか。

 が最大の関心事です。

 

 その楽しませ方は、実は、どうでもよいのですね。

 どんなに陳腐な物語で楽しませてもよい――とにかく楽しませることが大事――

 

 一方――

 自然科学は、

 ――手段を活かすために目的を考える。

 が基本です。

 

 ここでいう「手段」とは、

 ――新たな知見を得るための研究手法

 です。

 

 また――

 ここでいう「研究手法」とは、

 ――実験ないし観察を行い、仮説に検証を加える。

 です。

 

 よって、

 ――新たな知見を得るために、いかに実験ないし観察を行うか。

 が最大の関心事です。

 

 その新たな知見の中身は、実は、どうでもよいのです。

 どんなに些末なことでもよい――とにかく新たな知見を得ることが大事――

 

 つまり――

 宇宙活劇は目的を考え、手段を選ばず――

 自然科学は手段を考え、目的を選ばず――

 

 よって――

 これら2つを繋げるのは、実に大変なのです。

 目的と手段との双方を選びに選び抜かなければならない――

 

 その吟味は――

 おそらく、人間業ではありません。

 

 手段を選んでいたら、目的は達せません。

 目的を選んでいたら、手段は活かせません。