マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

銀河帝国の住人たちとの“壁”

 物語などで、

 ――銀河帝国

 の概念を扱うには――
 銀河の大きさを考え、

 ――超光速航法

 などの想定が必要であることを――

 きのうの『道草日記』で述べました。

 ただし――
 超光速航法の技術の実現性は――
 現代の自然科学によって、否定されています。

 このため――
 もし、現代の自然科学の知見に沿って空想をするならば――
 銀河帝国は、

 ――少なくとも万年単位の時間軸を無機物として生きる住民たち

 という特異的な知的生命体によって――
 営まれていることになります。

 例えば――
 寿命が80万年で、無機物の身体をもつ知的生命体――
 ですね。

 そういう生命体が――
 この宇宙に現存している可能性は――
 決してゼロではないと思いますが――

 そんな彼らと僕らヒトとが――つまり、寿命80万年で無機物の身体をもつ知的生命体と、寿命80年で有機物の身体をもつ知的生命体とが――実質的な交流関係を築き、かつ、それを保っていくのは――
 なかなかに難しいだろうと思います。

 おそらく――
 彼らのほうが、交流関係を積極的に築こうとしないのではないかと、思うのです。

 なぜならば――

 彼らは――
 僕らよりも1万倍ほどゆっくりとした時間感覚で、生きているわけです。

 えらい違いです。

 この時間感覚の“壁”を乗り越えるのは――
 容易なことではありません。

 ……

 ……

 試みに――

 ちょっと想像をしてみましょう――
 寿命が80年の1万分の1の知的生命体というものを――

 ……

 ……

 寿命が、

  80年/10000

 つまり、

  0.008年 ≒ 3日

 です。

 僕らはヒトは――
 寿命が3日の知的生命体と――
 交流関係を積極的に築こうと思えるでしょうか。

 ……

 ……

 まあ――
 まったく思えなくはないでしょうが――

 なかなかに難しいでしょう。