――銀河帝国
という概念が――
もし、現実に成り立ちうるならば――
その“帝国”は、
――少なくとも万年単位の時間軸を無機物として生きる住民たち
によって営まれているはずである――
ということを――
きのうの『道草日記』で述べました。
そんな“住民たち”は――
僕らヒトとは、あまりにも、かけ離れた存在です。
よって――
本来ならば――
僕らヒトが「銀河帝国」などという概念を創造すること自体、ありえなかったと思うのですが――
ご存じのように――
少なくとも物語の世界では――
「銀河帝国」は、もはや、ありふれたアイディアといってよいでしょう。
なぜ、「地球」という名の惑星の表面にピタッと貼りついて生きている僕らヒトが――
広大な銀河を版図に治めるような帝国の概念を創造しえたのか――
なかなかに興味深い問いといえましょう。
……
……
もちろん――
いろいろな答えが考えられるかと思いますが――
僕は、
――天の川・銀河が平面上を渦巻状に回転していたから――
というのが――
いちばん大きな理由ではないかと感じています。
天の川・銀河が平面上にある――あるいは、平面に帰着させうる構造として認識しうる――という事実によって――
惑星の表面に貼りつく僕らヒトにも、天の川・銀河ひいては銀河が、知的生命体の営みの場として、容易に想像でき、かつ受容できたのだと考えます。
裏を返すと――
もし、天の川・銀河が平面上になかったら――
「銀河帝国」は生み出されなかったかもしれません。
現代の天文学では――
が――
おそらくは、「銀河帝国」とは異なり、
――銀河群帝国
も、
――銀河団帝国
も、
――超銀河団帝国
も、
――銀河フィラメント帝国
も――
(そんなに、ありふれたアイディアとは、ならないだろう)
と――
僕は思っています。
たとえ物語の世界であっても、
――平面に帰着させにくい。
という理由が――
大きな障壁となるように思います。