マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

SETIの文脈で“フェルミの逆説”を捉え直す

 ――フェルミの逆説(Fermi paradox)

 については――

 6月6日以降の『道草日記』で繰り返し述べています。

 

 ――宇宙の寿命の長さと恒星の個数の膨大さとを考えたときに、我々以外にも知的生命体が存在をしていないはずはなさそうなのに、なぜ我々は彼らに出会えていないのか。

 との疑問に集約をされる逆説のことです。

 

 この逆説を、SETI(Search for Extra Terrestrial Intelligence)の文脈で捉え直すと――

 次のようになるでしょう。

 

 ――宇宙の寿命の長さと恒星の個数の膨大さとを考えたときに、我々以外にも知的生命体が存在をしていないはずはなく、また、それら地球外知的生命体の一部が我々に向けて発信を行っていないはずはなさそうなのに、なぜ我々は彼らの発信を探し出して受けとれていないのか。

 

 ――超光速航法は実現可能でない。

 ということを認めるならば――

 地球外知的生命体が地球に到達をしている可能性は限りなくゼロに近いとみなせ――

 また、仮に到達をしていたとしても、僕らは彼らを僕らと同じ生命体とはみなしえないであろう――

 ということは、6月6日の『道草日記』で述べた通りです。

 

 が――

 地球外知的生命体の発信ならば、地球に到達をしていても、何らおかしくはないのですね。

 

 そして――

 僕らと同じような発想に立って発信を行ったに違いないのです。

 

 よって――

 僕らが彼らの意図を汲みとれないという危険性も――

 それほど大きくはないでしょう。

 

 おそらく――

 地球に向けて発信を試みた地球外知的生命体は、僕らと同程度の文明、もしくは、僕らの認識が及びうる程度に高度な文明にとどまっていたに違いありません。

 

 が――

 そうであるにも関わらず――

 僕らは、彼らの発信を、今日に至るまで、何一つ捉えていないのです。

 

 これは、なぜなのか――

 

 実は――

 SETIは“フェルミの逆説”を戦慄的な疑問に変えるのです。