マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

未開文明保護条約・説 が「絵に描いた餅」である理由

 ――宇宙文明圏連合

 というのは――

 それら文明圏が僕らより 1 憶 ~ 3 億年くらいは進んでいると考えられること、また、それら文明圏を営む知的生命体の“寿命の長さ”が 30 億 ~ 100 億年くらいと考えられること、の2点から――

 仮に、そのような連合組織が実在をしているとしても――

 それは、僕らの想像が及びうるような組織ではありえない――

 ということを、きのうの『道草日記』で述べました。

 

 ところが――

 

 1つの仮定を持ち出すことで――

 こうした、

 ――宇宙文明圏連合

 のわかりにくさは、きれいに解消をされえます。

 

 その「1つの仮定」とは、

 ――超光速航法は原理的に可能である。

 という仮定です。

 

 もし――

 超光速航法が原理的に可能であるならば、

 ――カルダシェフの尺度(Kardashev scale)

 は、ほとんど意味を成しません。

 

 ――銀河文明

 が、僕らより 1 憶 ~ 3 億年くらい進んでいると考える必要はなく――

 また、それを営む知的生命体の“寿命の長さ”が 30 憶~ 100 億年くらいと考える必要もありません。

 

 おそらく、

 ――銀河文明

 は、僕らより、せいぜい 300 ~ 10,000 年くらいしか進んでなく――

 また、それを営む知的生命体の“寿命の長さ”も僕らと大して変わらない可能性が出てくるのです。

 

 つまり、

 ――宇宙文明圏連合

 は、僕らの想像が容易に及ぶ組織となりえます。

 

 それゆえにこそ、

 ――宇宙文明圏連合

 は、宇宙活劇(space opera)に、よく馴染みうるのです。

 

 が――

 

 ……

 

 ……

 

 あいにく、

 ――超光速航法は原理的に不可能である。

 というのが――

 少なくとも現時点での現代科学の総意です。

 

 ――宇宙文明圏連合

 や――

 その構成員の文明圏が取り交わしているのではないかとされる、

 ――未開文明保護条約

 は、

 (純粋なる虚構の産物――)

 と、いわざるをえません。

 

 つまり、

 ――フェルミの仮説(Fermi paradox)

 の答えとしての、

 ――未開文明保護条約・説

 は、

 ――絵に描いた餅

 ということになります。