――「超光速航法は実現可能である」との仮説は徹底的かつ直接的な検証を受けたとはいえない。
ということを、きのうの『道草日記』で述べました。
実は――
この仮説は、現在、徹底的かつ直接的な検証を受けている最中なのですね。
どういうことか――
……
……
一般に――
自然科学では、ある仮説の妥当性を示す際には――
まず、その仮説の否定形が成り立つと仮定をし――
その仮定の下に、実験や観測を繰り返した上で――
何か決定的な矛盾が生じないかどうかをみるのです。
つまり、
――AはBである。
との仮説の妥当性を示そうと思うなら――
まず、
――AはBでない。
との仮定をもうけて――
この仮定の下に、実験や観測を繰り返す――
ということです。
よって、
――超光速航法は実現可能である。
との仮説の妥当性を示そうと思うなら、
――超光速航法は実現可能でない。
との仮定をもうけ――
この仮定の下に、実験や観測を繰り返せばよいことになります。
……
……
それは――
まさに現代の物理学や天文学の営みそのものといえます。
つまり――
現代の物理学や天文学は、
――超光速航法は実現可能である。
という仮説の妥当性を、現在、徹底気かつ直接的に検証をしていることになります。
ただし――
……
……
アルベルト・アインシュタイン(Albert Einstein)が、
――超光速航法は実現可能である。
の否定形である、
――超光速航法は実現可能でない。
の仮定の下に作り上げた相対性理論(the theory of relativity)は――
今のところ、あらゆる実験結果や観測結果に対し、呆れるくらいに正確な説明を、与えているのだそうです。