マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

「超光速航法は実現可能である」との仮説は徹底的かつ直接的な検証を受けたか

 ――時間旅行は実現可能である。

 という仮説は――

 様々なサイエンス・フィクション(science fiction)の物語によって否定をされているけれども、

 ――超光速航法は実現可能である。

 という仮説は――

 宇宙活劇(space opera)を含む様々な物語によって否定をされているわけではない――

 ということを――

 きのうの『道草日記』で述べました。

 

 ――超光速航法は実現可能である。

 という仮説は――

 もっぱら自然科学――現代物理学――によって否定をされているのですね。

 

 が――

 現代物理学が、

 ――超光速航法は実現可能である。

 との仮説を具体的にどのように弾いているかについて、詳しく理解をするのは――

 けっこう大変です。

 

 簡単にいってしまうと、

 ――超光速航法は実現可能でない。

 との仮説を踏まえて組み立てた理論に、今のところ、何一つ矛盾を見出せない――

 いいかえると、

 ――光よりも速く――正確には「質量がない粒子よりも速く」――空間を動けるものは存在をしない。

 との仮説を踏まえて組み立てた理論に、今のところ、何一つ矛盾を見いだせないから、

 ――超光速航法は実現可能である。

 との仮説は否定をされるのです。

 

 つまり、

 ――超光速航法は実現可能である。

 との仮説は、そんなに徹底的かつ直接的には検証を受けていないのですね。

 

 このように述べると、

 ――そんなことはない。

 との反駁を受けるかもしれません。

 

 ――20世紀序盤、「超光速航法は実現可能である」との仮説の下に、当時の物理学者たちが、最新の観測結果に合理的な説明を与えるべく、新たな理論が組み立てようとしたところ、深刻な矛盾に突き当たったために、アルバート・アインシュタイン(Albert Einstein)が相対性理論(the theory of relativity)を示すに至ったわけだから、「超光速航法は実現可能である」との仮説は十分な検証を受けているとみなせる。

 との主張です。

 

 たしかに――

 それは、その通りなのですが――

 

 20世紀序盤においては――

 アインシュタイン相対性理論も、超光速航法のアイディアも――

 少なくとも21世紀序盤の現代ほどには一般的でなかったはずですから――

 

(「徹底的かつ直接的な検証を受けた」とまではいえないのではないか)

 と――

 僕は思っています。