マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

“宇宙活劇”の陳腐たる所以

 ――スペース・オペラ(space opera

 つまり――

 僕のいう、

 ――宇宙活劇

 は、

 ――宇宙を舞台にしたサイエンス・フィクション(science fiction)のうち、物語が陳腐な類型に落とし込まれている作品のことを指していた。

 ということを――

 きのうの『道草日記』で述べました。

 

 ……

 

 ……

 

 ――宇宙活劇

 の何が陳腐なのかといえば――

 それは、

 ――人が、有史以来、地球の表面で暮らしながら見聞きしてきた様々なことが、そのまま宇宙の空間でも起こりうると仮定をしている点

 です。

 

 地球の表面と宇宙の空間とは、環境は全く異なります。

 

 ですから――

 そのまま置き換わるわけがないのですが――

 

 でも――

 そのまま置き換えてしまう――

 

 ――超光速航法は実現をしうる。

 という設定に寄りかかって、置き換えてしまう――

 

 この点こそが、

 ――宇宙活劇

 の陳腐たる所以です。

 

 では、

 ――宇宙活劇

 は、何のために――

 そんな陳腐な点を含ませているのか――

 

 ……

 

 ……

 

 それは、

 ――物語の受け手の心を動かすため――

 です。

 

 ――宇宙活劇

 の目的は――

 宇宙が真にどのような場所であるのかを探ることではありません。

 

 ――宇宙活劇っていいな。

 と思わせる――

 あるいは、

 ――活劇っていいな。

 と感動をさせる――

 

 それが、

 ――宇宙活劇

 の目的です。

 

 この目的を達するためには――

 手段を選ばない――

 

 たとえ――

 自然科学で否定をされている、

 ――超光速航法の実現の可能性

 を無批判に受け入れることになったとしても――

 気にしない――

 

 物語の受け手の心を動かすためには――

 自然科学と相容れない設定であっても、どんどん使っていく――

 

 それが、

 ――スペース・オペラ

 つまり――

 僕のいう、

 ――宇宙活劇

 です。