宇宙活劇と自然科学とを本気で繋げるのなら、
――超光速航法は実現可能である。
との仮説の妥当性を、実験や観察に基づき、考えていく必要がある――
ということを、きのうの『道草日記』で述べました。
僕が知る限り――
この仮説の検証を、自然科学の側から試みるのは――
少なくとも21世紀序盤の現代においては――
無謀といわざるをえません。
おそらく――
実りのある成果は、なかなか得られないでしょう。
が――
宇宙活劇の側から試みるのは――
それほど無謀ではありません。
つまり、
――超光速航法は実現可能である。
との仮説に基づき――
宇宙活劇の物語を、思いつく限り、何通りでも紡いでいくことで、
――超光速航法が実現をした場合に、人は、どのような社会を作り、どのような生活を送ることになるのか。
という主題の疑似的な思考実験を繰り返すことができます。
その結果――
仮に、超光速航法が実現をした場合に――
人は、現在、地球の表面で暮らしているのと同じように、宇宙の空間で暮らすことが、どうやら可能そうである――
ということが示されています。
もう少し簡単にいうと――
――超光速航法は実現可能である。
との設定が物語の展開に著しく不都合をもたらすようなことは、どうやらなさそうである――
ということです。
このことは、
――時間旅行は実現可能である。
との設定が物語の展開に著しく不都合をもたらすこととは対照的です。
仮に、時間旅行が実現をした場合は――
よく知られているように――
深刻な矛盾に突き当たります。
つまり、
――過去へ旅行に出かけ、過去の自分を殺してしまったら、過去へ旅行に出かけている現在の自分は、どのように説明をされるのか。
という矛盾です。