――因果の原理は、時間的にしか作用をしえない。
ということを、きのうの『道草日記』で述べました。
ここでいう、
――因果の原理
とは、
――「結果は原因によって生じる」という理屈
のことです。
それが、
――時間的にしか作用をしえない。
というのは、
――結果の出来事は、原因の出来事が起こった際に、多少なりとも時間が経過をしてから、起こる。
ということです。
もし、結果の出来事が起こった際に、多少なりとも時間が経過をしてから、原因の出来事が起こったように思える場合には――
「結果」と「原因」とを入れ替えて認識をする必要がある――
ということです。
実は――
話が逆でして――
時間の経過が原因と結果との関係を作り上げているのではなく――
原因と結果との関係が時間の経過を作り上げています。
人は、原因から結果が引き起こされたと認識をする際に、
――時間が経過をした。
と認識をするのです。
よって――
――過去へ旅行に出かけ、過去の自分を殺してしまったら、過去へ旅行に出かけている現在の自分は、どのように説明をされるのか。
との疑問に接するときに――
すぐに気がつきたいことは、
――因果の原理が乱れている。
ということです。
過去の自分の存在は、現在の自分の存在の原因であり――
現在の自分の存在は、過去の自分の存在の結果であるはずですが――
「現在の自分の存在」という結果がもたらす結果――「殺す」という行為――が、「過去の自分の存在」という原因にもたらされる結果――「殺される」という被害――の原因になっているので――
おかしなことになっているのですね。
もう少し簡単に述べると、
――結果の結果が原因になっている。
ということです。
――因果の原理
に基づけば――
結果の結果は結果以外にはありえないはずです。