――自然科学は外向的である。
ということを、きのうの『道草日記』で述べました。
では――
社会科学や人文科学は、どうなのか――
……
……
――人文科学
は、間違いなく、
――内向的
でしょう。
一方、
――社会科学
については、ちょっと難しい――
――人文科学ほどに内向的ではないが、自然科学ほどに外向的ではない。
というのが、まずまず妥当な結論であろうかと思います。
要するに、
――外向性
という尺度でみたら、
自然科学>社会科学>人文科学
であり、
――内向性
という尺度でみたら、
人文科学>社会科学>自然科学
である――
ということですね。
当然ながら――
外向性も内向性も、しょせんは程度の問題ですから――
例えば、
――自然科学は外向的な要素のみであって、内向的な要素は皆無である。
とか、
――人文科学は内向的な要素のみであって、外向的な要素は皆無である。
とかいうことは決してありません。
以上を前提にした上で――
あえて述べますと――
学問の領域における、
――外向性の高低
というのは、どうやら、
――実験が果たす役割の大小
に、ほぼ準えることができそうである、と――
いえるのではないでしょうか。
実験は、論考や観察と違って、対象に介入をします。
自然科学では、
――自然
という対象に介入をすることで――
仮説の妥当性を考えるのです。
ここでいう、
――介入
とは――
例えば、
――意図的に条件を設定し、その条件が満たされている状況の下で、対象に何らかの作用を加え、変化をもたらすこと
です。
このように考えてみると、
――外向性
の尺度から、
自然科学>社会科学>人文科学
の関係性が成り立つことは――
よく伝わってくるのではないでしょうか。
自然科学において、実験の果たす役割は、絶対的です。
一方――
人文科学においては、実験の果たす役割は、ほとんど意識をされることがありません。
社会科学は、人文科学ほどに実験をしないわけではありませんが、自然科学ほどに実験をしているわけでもありません。
よって、
学問の外向性:自然科学>社会科学>人文科学
の関係性が得られそうです。