――大きさが等しい 27 個の小さな立方体が集まって 3×3×3 の大きな立方体を成しているようにみえる立体パズル
について、きのうの『道草日記』で述べました。
このパズルのプレイヤーは懸命に演算を行っているが――
このパズルそれ自体が演算を行っているわけではない、と――
この 3×3×3 の立方体を成す 26 個の小さな立方体は、プレイヤーの操作に合わせ、その位置や向きを変えているだけである、と――
……
……
おとといまでの『道草日記』で“神経単位(neuron)”の話をしていて――
きのうの『道草日記』で、この立体パズルのことを急に取り上げたのは――
この立体パズルが脳を含む神経系の比喩になりうるからです。
おとといの『道草日記』で、僕は――
脳を含む神経系の“演算”は、基本的には電算機(computer)の演算と同じ全自動で、各々の神経細胞の状態が変化をしていくだけのはずである――
と述べました。
それら神経細胞の状態の変化は、あらかじめ設けられた規則にしたがって――あるいは、あらかじめ定められた秩序の下で――順次、起こっていくのだ、と――
……
……
きのうの『道草日記』で触れた立体パズルについて――
小さな立方体が神経細胞に相当をし、大きな立方体が脳を含む神経系に相当をします。
ただし、大きな立方体のほうは、実際には、「脳を含む神経系」というよりも、僕のいう「神経単位」に相当をするのですが――
今は、その話は措きます。
脳を含む神経系において――
それを成す個々の神経細胞は、この立体パズルの小さな立方体が位置や向きを変えていくように、状態を変えていきます。
立体パズルと違う点は――
立体パズルでは、小さな立方体は、プレイヤーの操作に合わせ、その位置や向きを変えているのですが――
脳を含む神経系では、プレイヤーが存在をしません。
脳を含む神経系は――
いってみれば、
――プレイヤーが操作をしていないのに全自動で色が揃う立体パズル
に相当をします。
そのように全自動で色が揃う様子を目の当りにしたら――
多くの人が、
――この立体パズルは何らかの“演算”を行っているに違いない。
と感じることでしょう。
が――
その際、「演算」は比喩としては正しくありません。
それら小さな立方体は、何らかの規則や秩序に従って、自発的かつ自律的に位置や向きを変えているだけです。
よって――
それは、
――演算
ではありえない――
では、何なのか――
……
……
丁度よい言葉を探すのは、なかなかに大変なのですが――
ひとまず、
――活動
と呼んでも差し支えはないでしょう。
もし、
――プレイヤーが操作をしていないのに全自動で色が揃う立体パズル
が実在をしていたならば――
その立体パズルが行っているのは、
――演算
ではなく、
――活動
です。