マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

「演算」で僕が思い浮かべるのは――

 ――演算

 という言葉をきいて、今の僕が真っ先に思い浮かべるのは――

 ある立体パズルです。

 

 大きさが等しい 27 個の小さな立方体が集まって 3×3×3 の大きな立方体を成しているようにみえる立体パズルです。

 1970年代の後半に東欧で発売をされ、1980年代の前半に世界各地で大ブームとなりました。

 3×3×3 の大きな立方体は 6 枚の面が 6 色に塗り分けられていて、かつ、それら 6 枚の面は 9 つの小さな立方体によって分割をされています。

 

 27 個の小さな立法体は、実際には 3×3×3 の大きな立方体の中心を占めるはずの立法体が存在をしないので、26 個なのですが――

 これら 26 個の小さな立方体は、分割の境界で縦・横・高さの 3 次元の各方向を軸として任意に回転をさせられるように作られているために――

 ほんの数回くらい気ままに回転をさせていたら、3×3×3 の立法体の 6 枚の面は、分割の境界を隔て、6 色が混在をするようになります。

 

 こうなったものを、再び 6 枚の面ごとに同じ色に揃えるのが一苦労でして――

 

 初心者のプレイヤーは、6 枚の面の色を揃えようと 26 個の小さな立方体を懸命に回し続けるのですが――

 ただヤミクモに回しているだけでは、おそらく永遠に色が揃うことはありません。

 

 このとき――

 どの分割の境界について、どの順番で、どのように回していけば 6 枚の面の色が揃うのか、ということを考えるのが、

 ――演算

 に当たります。

 

 この立体パズルを解こうとする者は――

 この演算に取り組むことによって、6 枚の面の色を揃えていくのです。

 

 ここで注意をしたいのは――

 立体パズルそれ自体が演算を行っているのでは決してない、ということです。

 

 あくまでも――

 その立体パズルを弄っているプレイヤーが演算を行っている――

 

 その立体パズルそれ自体は、3×3×3 の大きな立方体を成している 26 個の小さな立法体の位置や方向を――つまり、小さな立方体の状態を――それぞれに変えているだけです。