脳を含む神経系は、
――プレイヤーが操作をしなくても、自発的かつ自律的に解けてしまうような仮想的ないし空想的な立体パズル
に喩えられうる、ということを――
きのうの『道草日記』で述べました。
ここでいう「立体パズル」とは――
例えば、
――大きさが等しい 27 個の小さな立方体が集まって 3×3×3 の大きな立方体を成しているようにみえる立体パズル
を指します。
この種の立体パズルがお手元にある方――あるいは、この種の立体お合ズルをよく知っていて、お手元にあるのを現実感十分に思い浮かべられる方は――ちょっと想像をして頂きたいと思います。
27 個の小さな立方体が――実際には、26 個なのですが――自然と組み合わさっていき、3×3×3 の大きな立方体を形作り――
やがて、その大きな立方体を成す 27 個の小さな立方体の1つひとつが、自然と位置や向きを変えていく――
それが――
脳を含む神経系の“配線”であり、“演算”であるのですね。
こう述べても――
今一つピンとこない方も大勢いらっしゃるでしょう。
――小さな立方体が、めいめい勝手に位置や向きを変えているだけでは、ぜんぜん神経系らしくない。
と――
が――
その 3×3×3 の大きな立方体の 6 枚の面の色が、ひとりでに勝手に揃ってしまう光景を思い浮かべることができたなら――
だいぶ印象は変わってくるはずです。
6 色が混在をしている 6 枚の面が、小さな立方体の1つひとつが位置や向きを変えていくなかで、ある時点において、奇麗に揃ってしまう――
そんな光景を目の当たりにしたら――
その立体パズルに、何とも言えない不可思議性を感じとることは、そんなに不自然なことではないでしょう。
ヒトの脳を含む神経系に宿る不可思議性というのは――
そうした趣きの不可思議性なのです。