マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

“病的な体験”は永続をすることが多いので……

 ――“病的な体験”の自然治癒では、望ましい機序(mechanism)ではなく、あまり望ましくない機序が中心になっているのではないか。

 ということを、きのうの『道草日記』で述べました。

 

 具体的には――

 神経細胞うしの

 ――誤った接続の切断

 や、

 ――誤った接続の無効化

 ではなく――

 神経細胞うしの

 ――新たな接続での代替

 や、

 ――誤っていない接続の相対的な強化

 によって、“病的な体験”の自然治癒が進んでいるのではないか――

 ということです。

 

 その根拠は、

 ――“病的な体験”は、ひとたび自覚をされると、かなり高い確率で永続をする。

 という経験的な事実です。

 

 ごくまれに、永続をすることなく、完全に消失をすることがあるのですが――

 それは、本当に、

 ――ごくまれ

 です。

 

 もし、神経細胞うしの

 ――誤った接続の切断

 や、

 ――誤った接続の無効化

 といった機序が中心となって自然治癒が進んでいるのであれば――

 ひとたび自覚をされた“病的な体験”が完全に消失をするということが、もっと高い確率で起こっているに違いないのです。

 

 実際の“病的な体験”は、完全に消失をするのではなく、ある程度の減弱をするにとどまります。

 例えば、発病の当初は、気になって気になって仕方がなかった“病的な体験”が、歳月が流れるにつれて、だんだん気にならなくなっていく、ということです。

 

 残念なことに――

 気にはならなくなっていくけれども、完全に消失をするわけではないのですね。

 

 このことから、

 ――誤った接続

 は、切断をされるわけでも無効化をされるわけでもなく――

 ただ相対的に弱化をされていくだけであろう、と――

 考えることができます。

 

 おそらく、

 ――新たな接続

 が生じたり、

 ――誤っていない接続

 が強化をされたりすることによって、

 ――誤った接続

 による悪影響が、しだいに薄れていく――

 ということです。