マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

“メンデルの法則”の大雑把な説明

 ――メンデル(Mendel)の法則

 の厳密な説明は、かなり厄介である――

 ということを、きのうの『道草日記』で述べました。

 

 ――かなり厄介――

 というだけでなく、

 ――そんなに面白くない――

 ともいえます。

 

 よって――

 あえて大雑把な説明をしようと思います。

 

 ――メンデルの法則

 が示していることは、

 ――遺伝

 によって親から子へと受け継がれていく情報は――

 何らかの一塊(ひとかたまり)の物質によって担われているとしか考えようがない――

 ということでした。

 

 例えば、液状の物質であったり、粉状の物質ではなくて――

 一塊の物質である、と――

 

 液状でも粉状でもないので――

 相異なる情報が互いに混ざり合ったり融け合ったりしない――

 

 そのような“一塊の物質”は――

 後年、

 ――遺伝子

 と名付けられ――

 今日の遺伝学における最も基本的な観念となっています。

 

 さらに重要なことは、

 ――情報

 というものが、自然界に人の心の営みを介さない形で存在をしていたことが、明確になった――

 ということです。

 

 ――情報

 といえば、ふつうは人が送ったり受けとったりするものでした。

 ――手紙の内容

 が、その典型です。

 

 手紙は、基本的には、人の心の営みを介さない限り、何ら意味を成しえません。

 

 人にとって大切な情報が書き込まれた手紙が――

 サルからイヌへ受け渡されても、風に吹かれて飛んでいっても、潮に流されて海を渡っても――

 ふつうは何も起こらないのです。

 

 それが、

 ――情報

 の特質でした。

 

 が、

 ――遺伝

 で伝わる情報というのは――

 人の心の営みを介しません。

 

 ――遺伝

 は、人が心を備える遥か以前から、人の心に関わることなく、起こってきた現象なのです。 

 

 つまり、

 ――自然界には、情報が人の心の営みを介さない形で飛び交っている。

 というのが、

 ――メンデルの法則

 のもたらす重要な示唆である、と――

 考えられるのです。