――世界政府
を本気で目指すのであれば――
民主主義的な手法を好む人たちにとって許容ができ、権威主義的な手法を好む人たちにとっても受容のしやすい折衷案的な形態を目指していくより仕方がない――
ということを、きのうの『道草日記』で述べました。
――折衷案的
というのは、
――そんなに民主主義的でも、そんなに権威主義的でもない――
という意味でいっていますが――
それだけではなくて、
――そんなに政府らしくも、そんなに非政府組織らしくもない――
という意味でもいっています。
そういう中途半端な形態を称して、
――超国家共同体
と呼んでいます。
――その具体像を示せ。
といわれると困ってしまうのですが――
今日の国際連合やヨーロッパ連合、北大西洋条約機構といった組織は、
――超国家共同体
の方向性を明確に示していると考えます。
これらの組織は、
――民主主義的
とも、
――権威主義的
とも評し難く――
また、
――政府である。
とも、
――非政府組織である。
とも断じ難いでしょう。
今日の国家が――
そのような中途半端な組織によって統治をされることは、現実的ではありませんし、おそらく、そんなに効果的でもありません。
が、
――世界政府
としてであれば――
そのような中途半端な点が新奇の特殊性となり、かえって光り輝く可能性があります。
そもそも、
――世界政府
というのは――
この地球上に唯一つ存在をしていることが期待をされる組織ですから――
この地球上に現存をしている全ての政府はもちろん、歴史上に実在をしてきた全ての政府から掛け離れた組織であったとしても、何ら不思議はありません。
――世界政府
という概念は、
――超国家共同体
の目指すべき目標として――
今後、人々の胸に収められていくでしょう。
が――
実在の、
――超国家共同体
は――
その試みが、もし成功をするのだとしたら――
時代を経るごとに、
――世界政府
とは呼びえない代物へと変わっていくのではないか――
そんな気がします。