――考える
とは、
――いくつもの言葉を意味が通じやすいように心の中で並べていく。
ということである、と――
きのう、のべました。
ここでいう、
――意味が通じやすいように――
にも、注目をするとよいでしょう。
並べた言葉の意味を通じやすくするには――
当然のことながら――
言葉の意味を正しく知っている必要があります。
――言葉の意味を正しく知っている。
というのは、きのう、のべた通り、
――ほかの人たちと同じような意味で言葉を使う。
ということです。
が――
言葉の意味を正しく知っているだけでは――
いくつもの言葉を意味が通じやすいように並べることはできません。
並べた言葉の意味を通じやすくさせるには――
結局のところ、できるだけ言葉の並びに無理が生じないような工夫をするしかありません。
例えば――
次のような言葉の並びを考えます。
治った
体
効(き)いた
言える
薬
飲んだ
具合
悪い
この言葉の並びは――
おそらく、次のような考えの流れを示(しめ)しています。
――治った体で効いたと言える薬を飲んだら具合が悪い。
つまり、
――体の具合が良くなったあとで、以前、飲んだことがあって、体に効くと言える薬を飲んだら、また具合が悪くなってしまった。
という考えの流れです。
意味が通じないことはないのですが――
通じやすいとはいえませんね。
これに対し――
今度は次のような言葉の並びを考えます。
体
具合
悪い
薬
飲んだ
治った
効いた
言える
この言葉の並びは――
次のような考えの流れを示しています。
――体の具合が悪いので薬を飲んだら治った。効いたと言える。
つまり、
――体の具合が悪かったので薬を飲んだら具合がよくなった。だから、その薬は体に効いたと言える。
並べられている8つの言葉は、先ほどと全く同じですが――
意味は、先ほどよりも、ずっと通じやすいといえるでしょう。
並べた言葉の意味が通じやすいかどうかは、言葉の並び方そのものによります。