並べた言葉の意味が通じやすいかどうかは――
並べた言葉の意味が正しく使われているかどうかだけではなくて――
言葉の並び方そのものにもよる――
と、きのう、のべました。
本当は――
もう一つ、並べた言葉の意味の通じやすさに関係をしていることがあります。
それは、
――その“言葉の並び”の意味をしている内容(ないよう)が、他の“言葉の並び”の意味をしている内容に反していないかどうか。
です。
ここでいう、
――言葉の並び
というのは――
簡単(かんたん)にいうと、
――考えの流れ
のことですから――
――他の“言葉の並び”の意味に反していない。
というのは、
――他の“考えの流れ”に反していない。
ということです。
例えば――
きのう挙げた“言葉の並び”は、
体
具合
悪い
薬
飲んだ
治った
効いた
言える
で――
その意味は、
――体の具合が悪かったので薬を飲んだら具合がよくなった。だから、その薬は体に効いたと言える。
という“考えの流れ”でしたが――
実は――
この“言葉の並び”は、かなり意味が通じにくいのです。
なぜかというと――
次の“言葉の並び”の意味が広く知られているからです。
体
具合
悪い
自然と
治る
ある
この“言葉の並び”の意味は、
――体の具合の悪いのが自然と治ることがある。
つまり、
――体の具合が悪くても、自然と治ってしまうことがある。
です。
――体の具合が悪くても、自然と治ってしまうことがある。
という“考えの流れ”を受け入れるならば、
――体の具合が悪かったので薬を飲んだら具合がよくなった。だから、その薬は体に効いたと言える。
という“考えの流れ”は、通じにくく感じられるのですね。
薬を飲まなくても具合がよくなっていたかもしれないからです。
『10 歳の頃の貴方へ――』