心の働きのうち――
自分自身で気づいている部分を、
――意識(いしき)
と呼び――
自分自身で気づいていない部分を、
――無意識(むいしき)
と呼ぶ、と――
きのう、のべました。
何か努力をするときは――
意識だけでなく、無意識をうまく活(い)かすようにすると――
むくわれることが多くなるようである、と――
……
……
なぜ無意識が大切なのかというと――
無意識は、体のことを心へ伝えていると考えられるからです。
――人
のことは、
――心と体――
とに分けて考えると――
わかりやすくなります。
人は――
心を用いて、何かを感じたり、何かを考えたりして――
体を使って、どこかへ行ったり、何かをやったりします。
人が心を用いたり、体を使ったりしているときに、
――意識
は、心のことを体へ伝えていると考えられます。
人は、心を用いて、何かを感じたり、何かを考えたりした結果――
体を使っているのです。
そのときに大きな役割(やくわり)を果たしているのが、
――意識
です。
このことは、ほとんどの人が、よくわかっています。
ところが、
――無意識
が、体のことを心へ伝えていると考えられることを、よくわかっている人は――
そんなに多くないのですね。
人は、体を使って、どこかへ行ったり、何かをやったりした結果――
心を用いて、何かを感じたり、何かを考えたりすることも多いのです。
そのことをよくわかっていない人は、心は体を自由に従(したが)えられると思いこんでしまいます。
たしかに、心は体をある程度(ていど)は従わせることができるのですが――
実は、体も心をある程度は従わせることができるのですね。
このことをよく知らずに――
無意識をバカにして、意識ばかりをあてにしていると――
そのうちに、心と体とのバランスが、くずれてしまいます。
最悪の場合には――
重い病気になってしまいます。
『10 歳の頃の貴方へ――』