――自我(じが)
が、
――無意識(むいしき)
から、できている、ということは――
安全に生きていくために、とても大切なことにちがいない――
と、きのう、のべました。
なぜかと、いえば――
――自我
は、
――意識(いしき)の物差し
と、みなせるからです。
もし、
――自我
が、
――無意識
ではなく、
――意識
から、できているとしたら――
――意識
は、
――物差しで、その“物差し”を測る。
というようなことになってしまい――
とても、まともには働かないにちがいない――
と考えられます。
――意識
が、まともに働かなければ――
周囲の様子を正しくとらえることができず――
安全に生きていくことはできないでしょう。
例えば――
あぶない場所の恐(おそ)ろしさを――高い木の上とか、深い水の中とかの恐ろしさを――正しくとらえることができずに、高い木の上から落ちたり、深い水の中に沈(しず)んだりして命を落としてしまうでしょう。
このことは――
――意識
が、生き物に有利に働くことを示(しめ)しています。
何において有利に働くかというと、
――生き物たちによる自然の中での生き残り競争
において――
です。
この地球では――
太古(たいこ)の昔から――
数多くの種類の生き物たちが、はげしい生き残り競争をくりひろげてきました。
その競争では、
――意識を働かせる生き物
が、
――意識を働かせない生き物
よりも命を落としにくい――
と考えられます。
命を落としにくい生き物は――
次々と子孫を残していき、その数は増(ふ)え、どんどん栄えていきます。
――意識を働かせる生き物
の代表例が、ぼくたち、
――ヒト
です。
ヒトは現在、この地球で生き物として大いに栄えていますが――
その主な理由は、おそらくは、
――意識
を働かせるからです。
『10 歳の頃の貴方へ――』