マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

環境問題よりも大きな問題

 人の歴史(れきし)をみていると――

 ヒトが、

 ――意識(いしき)の不利

 のために、長い間、苦しんできていることが、よくわかる――

 と、きのう、のべました。

 

 わりと新しい例を挙げれば、

 ――環境(かんきょう)問題

 がある、と――

 

 ――環境問題

 とは、

 ――ヒトが自分たちの生活を豊かにしようと欲(よく)を出しつづけた結果、自分たちの周りをよごし続けてしまい、かえって自分たち自身を苦しめている。

 という問題のことです。

 

 ……

 

 ……

 

 この、

 ――環境問題

 は、大きな問題です。

 

 が――

 

(これよりも、もっと大きな問題がある)

 と、ぼくは思っています。

 

 何の問題か、わかりますか。

 

 ……

 

 ……

 

 ――戦争

 です。

 

 ――戦争

 は――

 いわゆる、

 ――環境問題

 が、人の世で大きく取り上げられるようになる遥(はる)か前から――

 つねに大きな問題であり続けました。

 

 ――人の歴史

 は、

 ――戦争の記録

 と、いいかえても、かまわないくらいです。

 

 戦争は、なぜ起こるのか――

 

 ……

 

 ……

 

 よく、なされる説明は、

 ――あるときに悪い人が出てきて、自分の国に住む人たちの多くをだまし、戦争を始めるのだ。

 という説明です。

 

 この説明は、半分くらいは正しいかもしれませんが――

 もう半分くらいは正しくありません。

 

 その「悪い人」が、たとえ、どんなにウソをつくことのが上手であっても――

 そんなに多くの人たちをだまして、戦争を始めることなどは、できないのです。

 

 戦争が起こるときは――

 その「悪い人」を心から応援(おうえん)しようとする人たちが、かなり多くいるのです。

 

 そういう人たちの本気の協力があるからこそ――

 戦争は起こります。

 

 つまり――

 戦争は、だれか一人が「起こそう!」と思って起こせるほどに簡単(かんたん)には、起こりません。

 

 多くの人たちが「起こそう!」と思わないかぎり、起こらないのです。

 

 では――

 なぜ多くの人たちが、戦争を起こそうと思うのでしょうか。

 

 ……

 

 ……

 

 その理由は、いわゆる、

 ――環境問題

 と、ほぼ同じです。

 

 ――今が幸せでも、さらなる幸せを追い求めて欲を出し続けるから――

 です。

 

 その根本にあるのは、

 ――“意識の不利”のせいで、今の幸せが、いつまでもは続かないことが、わかってしまうから――

 です。

 

 『10 歳の頃の貴方へ――』