社会についてばかり勉強をしている大人が――
自分たちは人である前にヒトであり、社会に生きている前に自然に生きている――
ということをわすれないようにするのは、ものすごく難しい――
と、きのう、のべました。
これは――
社会についてばかり勉強をしている大人の問題ですが――
もちろん――
その反対もあります。
つまり、自然についてばかり勉強をしている大人の問題です。
自然についてばかり勉強をしている大人は――
自分たちが、ヒトとして、自然に生きている――
ということは、もちろん、わかっているわけですが――
自分たちが、ヒトとしてだけでなく、人として、社会にも生きているという――
ということが、よくわかっていなかったりします。
このことが、よくわかっていない大人は――
数多くの“約束事”が守れずに、さまざまな問題を起こしやすいのです。
ここでいう、
――約束事
というのは、
――ヒトの生態(せいたい)
を、
――社会
という固有の生態に変えている数多く“約束事”のことです。
――社会
というのは、
――人の世の中
のことですから――
つまり――
自然についてばかり勉強をしている人は、人の世の中で生きていて、さまざまな問題を起こしてしまうのですね。
これは当然です。
みんなでサッカーの試合を楽しんでいるところへ、
――手を使ってはいけない。
というルールが守れないような人が入っていけば――
さまざまな問題が起こりますね。
――手を使ってはいけない。
というルールも、広い意味では、
――ヒトの生態
を、
――社会
に変えている“約束事”の一つです。
社会のことばかり勉強をしているのは問題ですが――
自然のことばかり勉強をしているのも問題なのです。
『10 歳の頃の貴方へ――』