マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

どうして戦争はなくならないの?

 ロシアの人たちもウクライナの人たちも、

 ――意識(いしき)

 を働かせ、幸せになることをあきらめていないから、戦争をつづけている――

 といえると、きのう、のべました。

 

 こうした見方は――

 なぜ、

 ――人の歴史(れきし)

 が、

 ――戦争の記録

 なのかを――

 また――

 なぜ人は太古の昔から戦争をくりかえしてきたのかを――

 解(と)き明かします。

 

 ――幸せになることをあきらめない。

 というのは、いつの時代であろうと、どこの国であろうと、あらゆる人に当てはまることです。

 今のロシアの人たちやウクライナの人たちだけに当てはまることではありません。

 

 今、ロシアとウクライナとの間で激しい戦争が起こっているのは――

 ロシアやウクライナの人たちが特別に戦争をしたがっていたからというわけでは決してないのです。

 

 ……

 

 ……

 

 ――幸せになることをあきらめない。

 というのは――

 ふつうは良いこととされます。

 

 例えば、小説やマンガや映画(えいが)では――

 主人公が何か不幸のドン底に落ちると、他の登場人物から、

 ――あきらめるな! 幸せになれ!

 と、しかられたり、

 ――あなたには幸せになってほしい。

 と、はげまされたりします。

 

 ――あきらめろ! 幸せにはなるな!

 とか、

 ――あなたには幸せになってほしくない。

 とかとは、決して、いわれない――

 

 ――幸せになることをあきらめない。

 というのは、ふつうは手ばなしで、ほめられることです。

 

 が――

 実際(じっさい)には――

 幸せをあきらめないから、戦争は起こる――

 

 自分たちの幸せをゆずることができないからこそ、戦争は起こる――

 

 ……

 

 ……

 

 10 才くらいの人から、よく大人が受ける質問の一つに、

 ――どうして戦争はなくならないの?

 というのがあります。

 

 大人の多くは――ぼくも含(ふく)めて、

 ――自分たちの幸せをゆずれないから――

 と正しく答えるのをためらいます。

 

 あるいは、

 ――自分たちの幸せをゆずれないから、戦争は起こる。

 とは――

 夢(ゆめ)にも思っていない大人がいます。

 

 そのように思っていない大人のほうが、ずっと多いかもしれません。

 

 だからこそ――

 いつまでたっても戦争はなくならないのです。

 

 『10 歳の頃の貴方へ――』