マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

いま激しい戦争が起こっている

 ――本当の戦争の様子

 というのは、みたりきいたりするのもイヤになるくらいに、おそろしい――

 と、きのう、のべました。

 

 幸か不幸か――

 

 現在、

 ――本当の戦争の様子

 を、わりと簡単(かんたん)に、みたりきいたりできます。

 

 知っている人も多いでしょう。

 

 いま――

 ヨーロッパの東の方で――

 かなり激(はげ)しい戦争がおこっているのです。

 

 ――ロシア

 という国が、

 ――ウクライナ

 という国に、戦争を仕かけました。

 2022年2月24日――今から 1 年と 2 か月くらい前のことです。

 

 これら2つの国は、35 年ほど前までは、

 ――ソビエト連邦(れんぽう)

 という1つの大きな国でした。

 

 いくつかの国が集まって1つの大きな国になるときに――

 その“大きな国”のことを、

 ――連邦国家(れんぽうこっか)

 と呼ぶことがあります。

 

 ――ソビエト連邦

 は、連邦国家の代表例でした。

 

 ――ソビエト連邦

 は、ロシアを中心に、15 の国が集まった連邦国家でした。

 

 そのソビエト連邦で、今から 35 年くらい前に、政治の争いが激しくなって、集まっていた 15 の国々(くにぐに)がバラバラになりました。

 

 なぜ政治の争いが激しくなったかというと――

 理由は、いくつか挙げられるのですが――

 いちばん根本にあった理由は、

 ――集まっていた 15 の国々に、ほとんど自由がなかったから――

 であった――

 と、ぼくは考えています。

 

 ――こんな窮屈(きゅうくつ)な“大きな国”はイヤだ!

 といって、バラバラになったのですね。

 

 その中心にいたロシアの人たちでさえ、

 ――イヤだ。

 といって抜けだしたのです。

 

 ところが――

 いざ抜けだしてみると――

 ロシアの人たちは面白くなかったのですね。

 

 ロシア以外の国々の人たちは、

 ――自由になれて、よかった。

 と喜んだのですが――

 

 ロシアの人たちは喜べなかった――

 

 ――ソビエト連邦

 が、自分たちを中心にしていた“大きな国”であったことをなつかしみ、

 ――ソビエト連邦

 がバラバラになってしまったことをくやしがるようになったのです。

 

 そして――

 とりあえず、となりにある2つの国――ウクライナベラルーシと――に向かって、

 ――もう一度、同じ国になろう。

 と呼(よ)びかけました。

 

 これら2つの国は、ソビエト連邦では、ロシアの次に中心になっていた国でした。

 少なくとも 1,000 年くらい前は、ロシアと同じ国であったと考えられています。

 

 この呼びかけを、ベラルーシの人たちは拒(こば)みませんでした。

 

 が――

 ウクライナの人たちは拒んだのです。

 

 ――せっかく自由になったのに、また不自由になるのはイヤだ!

 ということです。

 

 ――それは、おかしいだろう!

 と、ロシアの人たちは怒(おこ)りだしました。

 そして、ウクライナへ軍隊を向かわせて、ウクライナの人たちを強引に従わせようとしました。

 

 怒ったのは、ウクライナの人たちも同じです。

 

 ――おかしいのは、あなたたちのほうだ!

 その怒り方は、ロシアの人たちの想像をはるかに超(こ)えていました。

 

 それで――

 激しい戦争になったのです。

 

 きょうも大勢の人たちが殺(ころ)しあいをしているはずです。

 

 『10 歳の頃の貴方へ――』