マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

話しあいを諦めて殺しあいに頼ってきた歴史が、どの国にもある

 ――話しあい

 は、奥(おく)が深すぎて、

 ――その良い点や悪い点が簡単(かんたん)にはわからない。

 といえる一方で、

 ――殺(ころ)しあい

 は、奥が深くないので、

 ――その良い点や悪い点が簡単にわかる。

 といえるので――

 ――“権威主義の国”では、すぐに話しあいが諦(あきら)められ、殺しあいが始まってしまう。

 と、きのう、のべました。

 

 要するに、

 ――話しあい

 は、面倒(めんどう)くさいのです。

 ものすごく手間(てま)がかかるものですから、ものすごく時間もかかる――

 

 殺しあいなら、すぐに決着をつけることができます。

 少なくとも、話しあいよりは素早(すばや)く決着をつけることができる――

 

 よって、

 ――権威主義の国

 では、

 ――殺しあい

 が起こりやすい――

 

 ……

 

 ……

 

 日本は、

 ――民主主義(みんしゅしゅぎ)の国

 です。

 

 よって、

 ――殺しあい

 が起こりやすい――

 ということはありません。

 

 が――

 日本も、150 年くらい前までは、完全に、

 ――権威主義の国

 でした。

 

 100 年くらい前から、少しずつ、

 ――民主主義の国

 になり始めましたが、

 ――完全に“民主主義の国”になった。

 といえるのは、ここ 70 年ほどのことです。

 

 外国では――

 もう少し長く“民主主義の国”であり続けている国々(くにぐに)がありますが――

 それでも、

 ――完全に“民主主義の国”になった。

 といえるのは、ここ 100 年ほどのことです。

 

 つまり――

 いま、

 ――民主主義

 をとりいれている国々であっても、以前は、

 ――権威主義の国

 であり――

 話しあいを簡単に諦めて、すぐに殺しあいを始めてきた歴史をもっている――

 ということです。

 

 ここでいう、

 ――完全に“民主主義の国”になった。

 というのは、

 ――どんな人でも選挙で投票ができるようになった。

 という意味です。

 

 それまでは――

 いくつかの条件(じょうけん)を満たしている人だけが投票をしていました。

 

 条件というのは、

 ――国に多くの税金(ぜいきん)をおさめている。

 とか、

 ――国が戦争を始めたら必ず参加をする。

 とか、

 ――男である。

 とかいったことです。

 

 『10 歳の頃の貴方へ――』