マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

権威主義の危うさ

 ――権威主義(けんいしゅぎ)の良さ

 は、おそらく、

 ――いろいろなことが素早(すばや)く決められる。

 ということである――

 と、きのう、のべました。

 

 この点については、

 ――民主主義(みんしゅしゅぎ)の国

 の人たちも、みとめないわけにはいかない――

 と――

 

 ……

 

 ……

 

 が――

 それでも、

 ――民主主義の国

 の人たちの多くは、

 ――権威主義が良い。

 とは決して思わないでしょう。

 

 ――権威主義

 には、

 ――権威主義の良さ

 を打ち消して余(あま)りある危(あや)うさがあるからです。

 

 ――権威主義の危うさ

 とは何か――

 

 ……

 

 ……

 

 それは、

 ――すぐに殺(ころ)しあいを始めてしまう。

 ということです。

 

 もちろん、

 ――権威主義の国

 であろうと、

 ――民主主義の国

 であろうと――

 何か物事を決めるときには、話しあいになります。

 

 が――

 

 ――話しあい

 は、奥(おく)が深すぎて、

 ――その良い点や悪い点が簡単(かんたん)にはわからない。

 ということがあります。

 

 よって、

 ――権威主義

 の下では、いろいろなことを素早く決めるために、しばしば、

 ――話しあい

 が飛ばされて、

 ――殺しあい

 が始まってしまうのです。

 

 ――殺しあい

 は、奥が深くないので、

 ――その良い点や悪い点が簡単にわかる。

 ということがあります。

 

 よって――

 いろいろなことをしっかりと考える習慣(しゅうかん)がついていない人は、

 ――殺しあいには悪い点があるけれども、良い点もあるから、いろいろなことを素早く決めるには、殺しあいも仕方がないのだ。

 という答えを選んでしまいがちなのです。

 

 さらに、

 ――権威主義の国

 では――

 国の方針を決める人たちが、いろいろなことをしっかりと考える習慣をもっているとはかぎりません。

 

 よって、

 ――権威主義

 には、

 ――すぐに殺しあいが始まってしまう危うさ

 があるといえるのです。

 

 それが、

 ――権威主義の危うさ

 です。

 

 『10 歳の頃の貴方へ』