マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

民主主義とは“多数決のルール”のことか

 ――民主主義(みんしゅしゅぎ)には、どうしようもない欠点があるのではないか。

 とか、

 ――実は権威主義(けんいしゅぎ)のほうが民主主義よりも優(すぐ)れているのではないか。

 とかいった疑問(ぎもん)に対し、

 ――民主主義にはヒドい欠点があるけれど、権威主義に比(くら)べたら、マシだ。

 という答えが出されている――

 と、きのう、のべました。

 

 ――民主主義のヒドい欠点

 とは、どのようなことでしょうか。

 

 ……

 

 ……

 

 それは、

 ――最終的には“多数決のルール”を用いるしかないということ

 です。

 

 ――民主主義

 というのは、

 ――みんなのことは、みんなで話しあって決める。

 という考えのことです。

 

 ――民主主義

 の根本にあることは、あくまでも、

 ――話しあい

 なのです。

 

 ときどき、

 ――民主主義とは“多数決のルール”のことである。

 と考えているらしい人をみかけますが――

 それは誤解(ごかい)です。

 

 というのは――

 

 ――権威主義

 の根本にあることも、実は、

 ――多数決のルール

 であるからです。

 

 では、

 ――民主主義

 と、

 ――権威主義

 との違(ちが)いは何か――

 

 ――多数決のルール

 を用いるまでに、

 ――話しあい

 をくりかえすことが、

 ――民主主義

 であり――

 

 ――話しあい

 だけでなく、

 ――殺(ころ)しあい

 をも、くりかえすのが、

 ――権威主義

 であるのですね。

 

 自分の意見に反対をする者たちを殺して少数にしてしまい――

 自分の意見に賛成をする者たちを生かして多数にしてしまうことも、

 ――多数決

 であることに変わりはありません。

 

 よって――

 ――権威主義

 で重く用いられている、

 ――多数決のルール

 を、

 ――民主主義

 でも重く用いるしかない――

 という意味で、

 ――民主主義はヒドい欠点をもっている。

 と、いえます。

 

 とはいえ――

 

 ――権威主義

 のように、ときに、

 ――殺しあい

 をくりかえし行うようなことはしない――

 という意味で、

 ――民主主義は権威主義よりもマシである。

 とは、いえるでしょう。

 

 『10 歳の頃の貴方へ――』