マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

権威主義の国

 ――民主主義(みんしゅしゅぎ)の国

 かどうかの見わけ方について、

 ――選挙がある。

 なら、

 ――民主主義の国

 であり、

 ――選挙がない。

 なら、

 ――民主主義でない国

 である――

 と、きのう、のべました。

 

 ――民主主義でない国

 には、さまざまな在(あ)り方があります。

 

 王様や王様のような人が1人で何でも決めてしまう国や――

 1つのグループの人たちだけで何でも決めてしまう国――

 1つの宗教の教えをもとに何でも決めてしまう国――

 などなどです。

 

 それら国々(くにぐに)の在り方をまとめて、

 ――権威主義(けんいしゅぎ)

 といいます。

 

 ――民主主義

 と違(ちが)って、

 ――選挙があるかどうか。

 といった、わかりやすい目印がないので――

 

 ――権威主義

 のことを、たんに、

 ――非民主主義(ひみんしゅしゅぎ)

 と呼(よ)ぶこともあります。

 

 ――権威(けんい)

 というのは、

 ――みんなを自然と従(したが)わせる力

 とか、

 ――みんなが自然と頼るくらいに信用をされていること

 とかいった意味の言葉で――

 本来、悪い意味の言葉ではないのですが――

 

 ――権威主義

 というふうに、後ろに「主義(しゅぎ)」という言葉をつけると、

 ――みんなを無理やり従わせる力を大切にすること

 といった悪い意味の言葉に――少なくとも、“民主主義の国”では――なります。

 

 もちろん、“権威主義の国”では、かなり違った意味の言葉になっているでしょう。

 

 ――権威主義の国

 では、

 ――選挙が不人気――

 という、

 ――民主主義

 の欠点をことさらに示(しめ)すことで――

 自分たちの国に、

 ――みんなの投票で代表者を選びだす仕組み

 がないことをかくしているようにも感じられます。

 

 ――権威主義

 に良さがあることを――

 積極的にアピールしなければならないからでしょう。

 

 『10 歳の頃の貴方へ――』