マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

4 段の階段 → 1,600 段の階段:積分(2)

 一日当たりに起きている時間を――

 生まれたばかりのころ――つまり、0 才になりたてのころ――は、だいたい 0 時間くらいであり――

 それから年令に比例をして長くなっていき、4 才になるころには、だいたい 10 時間くらいであるとみなすと――

 0 才から 4 才までに起きている時間の合計が、

  ( 4 - 0 )× 400 ×( 10 - 0 )÷ 2

 となるのは――

 その時間の合計が――

 年令を日数に置きかえたもの――日令(にちれい)――を横軸(よこじく)にし、一日当たりに起きている時間を縦軸(たてじく)にして描(か)いて得られるグラフにおいて――

 次の3つの点、

  (0, 0)

  (1,600, 0)

  (1,600, 10)

 を結ぶと現れる“横に細長い直角三角形”の面積に等しいことによる――

 と、きのう、のべました。

 

 そして――

 その“横に細長い直角三角形”の面積が、0 才から 4 才までに起きている時間の合計に等しいとみなせる理由は、

 ――積分(せきぶん)

 の考え方を用いれば、よくわかる――

 とも――

 

 ……

 

 ……

 

 きょうは――

 その説明のつづきです。

 

 ……

 

 ……

 

 一日当たりに起きている時間を――

 0 才として生まれるときには、 0 時間とみなし――

 その後、年令に比例をして長くなっていくとみなし――

 4 才になるときには、10 時間とみなし――

 1 年を 400 日とみなすと――

 0 才から 4 才までに起きている時間の合計は、

 

  0 ~ 1 才:0 時間

  1 ~ 2 才:2.5 時間

  2 ~ 3 才:5 時間

  3 ~ 4 才:7.5 時間

 

 であることから、

  0 × 400 + 2.5 × 400 + 5 × 400 + 7.5 × 400

  = 0 + 1,000 + 2,000 + 3,000

  = 6,000 時間

 となります。

 

 ここで、

  0 × 400 + 2.5 × 400 + 5 × 400 + 7.5 × 400

 に着目をします。

 

 今、

  0 × 400 + 2.5 × 400 + 5 × 400 + 7.5 × 400

 のうち――

 

  7.5 × 400

 の部分を、次の4つの点、

  (1,200, 0)

  (1,200, 7.5)

  (1,600, 7.5)

  (1,600, 0)

 を結んで現れる長方形の面積とみなします。

 

 同じように、

  5 × 400

 の部分を、次の4つの点、

  (800, 0)

  (800, 5)

  (1,200, 5)

  (1,200, 0)

 を結んで現れる長方形の面積とみなし――

 

  2.5 × 400

 の部分を、次の4つの点、

  (400, 0)

  (400, 2.5)

  (800, 2.5)

  (800, 0)

 を結んで現れる長方形の面積とみなします。

 

  0 × 400

 の部分は、次の2つの点

  (0, 0)

  (400, 0)

 を結んで現れる線の面積とみなし――

 線の幅(はば)は無いことになっていますから――

 とくにグラフには描きません。

 

 このときに、

  0 × 400 + 2.5 × 400 + 5 × 400 + 7.5 × 400

 は、グラフでは、4 段の階段(かいだん)のような形の部分の面積とみなせます――もちろん、

  0 × 400

 の部分を“階段”の一部とみなさなければ、“階段”は 4 段ではなく、3 段です。

 

 この“4 段の階段”は――

 きのう、のべた“横に細長い直角三角形”――次の3つの点、

  (0, 0)

  (1,600, 10)

  (1,600, 0)

 を結ぶと現れる“横に細長い直角三角形”に、だいたい重なっています。

 

 というのは、“横に細長い直角三角形”の斜めの辺が、ちょうど“4 段の階段”に“板”をかぶせて滑(すべ)り台のようにしたときの線に当たるからです。

 

 とはいえ、“横に細長い直角三角形”と“4 段の階段”とは、だいぶズレています。

 

 実際(じっさい)のところ、“横に細長い直角三角形”の面積は 8,000 で、4段の階段の面積は 6,000 です。

 2,000 もズレています。

 

 このズレは、どこからきているかというと――

 一日当たりに起きている時間を、

 

  0 ~ 1 才:0 時間

  1 ~ 2 才:2.5 時間

  2 ~ 3 才:5 時間

  3 ~ 4 才:7.5 時間

 

 とみなしたことから、きています。

 

 一日当たりに起きている時間が、0 才から 1 才になるまで、ずっと 0 時間であったり、3 才から 4 才になるまで、ずっと 7.5 時間であったりするわけがありませんね。

 

 同じ 0 才であっても、生まれたばかりのころとは違(ちが)い、そろそろ 1 才になるころには、2.5 時間に近い時間で起きているでしょうし――

 同じ 3 才であっても、3 才になったばかりのころとは違い、そろそろ 4 才になるころには、7.5 時間に近い時間で起きているでしょう。

 

 そこで――

 0 才から 1 才になるまでの 1 年間を 400 等分にします。

 

 365 等分ではなく、400 等分にするのは――

 今、1 年を 400 日とみなしているからです。

 

 同じように――

 1 才から 2 才になるまでの 1 年間も、2 才から 3 才になるまでの 1 年間も、3 才から 4 才になるまでの 1 年間も、すべて 400 等分にします。

 

 そうすると――

 先ほどの“4 段の階段”が、“1,600 段の階段”になるのですね。

 

 この“1,600 段の階段”は、先ほどの“横に細長い直角三角形”に、そっくりな形をしています。

 少なくとも“4 段の階段”に比べたら、かなりよく似(に)ています。

 

 横(よこ)の長さは同じで、縦(たて)の高さも同じなのに、“階段”の幅(はば)は 400 分の 1 しかなく、その段差(だんさ)も 400 分の 1 しかないのです。

 

 この、

 ――横の長さも縦の高さも変えないで、“4 段の階段”を“1,600 段の階段”に変えると、“横に細長い直角三角形”に近い形になる。

 ということが、

 ――積分

 の考え方の始まりなのです。

 

 『10 歳の頃の貴方へ――』