マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

さて――みなさんは、どうするか

 今、10 才くらいの人たちは――

 これからの 10 年間の過(す)ごし方が大切になってくる――

 と、6月29日に、のべました。

 

 もう少し、くわしく、ふりかえりますと――

 

 まず、

 ――暗黙知(あんもくち)

 の具体例として、

 ――意識(いしき)の働かせ方

 ――世の中の捉(とら)え方

 ――体の動かし方

 ――外国語の使い方

 ――物事の創(つく)り方

 ――人の心の捉(とら)え方

 ――未知の物事の見つけ方

 の7つを挙げて――

 

 これらのうち、

 ――意識の働かせ方

 という暗黙知は、10 才くらいの人たちなら、ほとんど手に入れている、と――

 

 また、

 ――世の中の捉え方

 という暗黙知は、ほとんどの人たちが、17 才から 20 才くらいまでの間に、手に入れる、と――

 

 よって――

 残りの5つの暗黙知

 ――体の動かし方

 ――外国語の使い方

 ――物事の創り方

 ――人の心の捉え方

 ――未知の物事の見つけ方

 のうちの、どれを手に入れようとして、どれを手に入れようとしないのか――

 その判断が、とても大切になってくる、と――

 

 そのように、のべました。

 

 ……

 

 ……

 

 さて――

 

 みなさんは、どうしますか。

 

 ……

 

 ……

 

 ぼく自身の話をすれば――

 

 ぼくは、10 才のころに、

 ――書き言葉を使って感動をもたらす。

 ということに強い関心をもっていたことには、気づけなかったのですが――

 

 ――物理や歴史(れきし)を通して世の中を捉える。

 ということに強い関心をもっていたことには、気づけていたので――

 

 その後の 7 年間ないし 10 年間くらいを、

 ――世の中の捉え方

 という暗黙知を手に入れるために費(つい)やしました。

 

 うらをかえすと――

 

 ――体の動かし方

 ――外国語の使い方

 ――物事の創り方

 ――人の心の捉え方

 ――未知の物事の見つけ方

 といった“残りの5つの暗黙知”については――

 それらの全てを手に入れようとしなかったのですね。

 

 このことを、

 ――もったいなかった。

 と思うか――

 それとも、

 ――仕方がなかった。

 と思うか――

 

 それは、人それぞれであろうと思います。

 

 ぼく自身は、

 (ちょっと、もったいなかったかな)

 と思っているのですが――

 

 でも――

 本当のところは、

 (「もったいなかった」とか「仕方がなかった」とかいったことは大した問題じゃない)

 と思っています。

 

 (「ぼくは、自分が 10 才から 20 才くらいのときに、“残り5つの暗黙知”を手に入れようとはしなかったんだ」という事実をしっかりとわかっておくことが大切なんだ)

 と思っています。

 

 『10 歳の頃の貴方へ――』