マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

心の成長

 10 才のころのぼくは、

 ――物理や歴史(れきし)を通して世の中を捉(とら)える。

 ということに強い関心をもっていたために――

 その後の 7 年間ないし 10 年間くらいを、

 ――世の中の捉え方

 という暗黙知(あんもくち)を手に入れるために費(つい)やした――

 と、7月6日に、のべました。

 

 うらをかえすと、

 ――体の動かし方

 ――外国語の使い方

 ――物事の創(つく)り方

 ――人の心の捉(とら)え方

 ――未知の物事の見つけ方

 といった他の5つの暗黙知については――

 それらの全てを手に入れようとしなかった――

 ということです。

 

 他の5つの暗黙知を手に入れようとしなかったことについて、

 「まったく後悔(こうかい)をしていない」

 といったら、ウソになります。

 

 ちょっとは後悔をしています。

 

 が――

 その後悔は――

 実は、そんなに大切ではありません。

 

 7月6日に、のべたように――

 そういう後悔の気持ちよりも、

 ――ぼくは、自分が 10 才から 20 才くらいのときに、他の5つの暗黙知を手に入れようとはしなかった、という事実をしっかりとわかっておく。

 という覚悟(かくご)の気持ちほうが、ずっと大切である、と――

 ぼくは考えています。

 

 なぜ、そういう覚悟の気持ちのほうが大切であるかというと――

 

 そのような覚悟の気持ちを一つひとつ重ねていくことこそが、

 ――心の成長

 であるからです。

 

 自分は何を選び、何を選ばなかったか――

 何を手に入れて、何を捨(す)て去ったか――

 その事実を一つひとつ、しっかりとわかっていくことで――

 あなたの心は成長をします。

 

 とくに――

 何を選んだのかよりも、何を選ばなかったのかが大切です。

 

 あるいは――

 何を手に入れたのかよりも、何を捨て去ったのかが大切です。

 

 あなたの心は、選ばなかったことや捨て去ったことの積み重ねによって成長をしていくのです。

 

 『10 歳の頃の貴方へ――』