マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

親孝行は十分に意識をしていないとできない

 ――親孝行(おやこうこう)

 と、

 ――親不孝(おやふこう)

 との違(ちが)いについて――

 きのう、のべました。

 

 ――親孝行

 というのは、

 ――お父さんやお母さんを大切にあつかう。

 ということです。

 例えば、

 ――お父さんやお母さんの夢に関心をもつ。

 とか、

 ――お父さんやお母さんの夢をバカにしない。

 とかいったことです。

 

 一方、

 ――親不孝

 というのは、

 ――お父さんやお母さんを大切にあつかわない。

 ということです。

 例えば、

 ――お父さんやお母さんの夢に関心をもたない。

 とか、

 ――お父さんやお母さんの夢をバカにする。

 とかいったことです。

 

 ……

 

 ……

 

 ――親孝行

 とか、

 ――親不孝

 とかいった言葉を見聞きすると――

 何となく、

 ――やだなぁ。

 と思う人はいませんか。

 

 実は――

 10 才のころのぼくは、そうでした。

 

 ――親孝行をしなさい。

 とか、

 ――親不孝はするなよ。

 とかといわれて――

 何ともイヤな気持ちになったことを覚えています。

 

 (どうして子どもばっかりが、ちゃんとしてなくちゃいけないんだよ!)

 と思っていました。

 

 それから 40 才くらい年をとって、わかったことは、

 ――親孝行は十分に意識(いしき)をしていないとできない。

 ということです。

 

 ――十分に意識をしていないと、やけにあっさりと親不孝をしてしまう。

 と――

 

 ……

 

 ……

 

 日ごろから十分に意識をしていないと、できないことであるから――

 世の中の大人たちは、

 ――親孝行をしなさい。

 とか、

 ――親孝行をするなよ。

 とかいうことをいうのですね。

 

 そういうことをいう大人たちの多くは――

 実は自分は、うっかり親不孝をしてしまっていたり、親孝行をしないできてしまっていたりするはずです。

 

 そして、

 ――ああ、失敗をした。

 と後悔(こうかい)をしているのですね。

 

 『10 歳の頃の貴方へ――』