人の世の中を生きていく上で――
人と人との関係をだれかとの間に結ぶことは、決してさけることができない――
と、きのう、のべました。
つまり、
――人と人との関係
というのは――
人の世の中を生きていく上で、どうしても考えないわけにはいかないことなのです。
この、
――人と人との関係
が――
ときに“病気になってしまう”ことがあります。
ここでいう、
――病気になってしまう。
というのは、
――望ましくない在(あ)り方になってしまう。
という意味です。
具体的には、
――片方(かたほう)の人ばかりが良い気持ちになっていて、もう片方の人は嫌(いや)な気持ちになっている。
あるいは、
――片方の人ばかりが得(とく)をしていて、もう片方の人は損(そん)をしている。
といった意味です。
なぜ――
このような関係になってしまうのでしょうか。
……
……
たいていは――
片方の人が、もう片方の人と、
――仲良くしたい。
と思っていて――
もう片方の人は――
実は、
――仲良くしたくない。
と思っているのであるけれども――
どういうわけか、
――仲良くしなければならない。
と思いこんでしまっている――
と、いうようなときに、
――人と人との関係
は“病気になってしまう”のですね。
――人と人との関係
が、ひとたび“病気になってしまう”と――
そのあとは、大変です。
ケンカが絶(た)えなくなって――
その度に、辛(つら)く、苦しい思いをすることになります。
……
……
人の世の中を明るく、楽しく、元気よく生きていくには――
自分が周りの人たちと結んでいる、
――人と人との関係
が“病気になってしまう”のをしっかりと防(ふせ)いでいくことが必要です。
それら関係のうち、どれか1つでも“病気になってしまう”と――
辛くなって、苦しくなって――
人の世の中を生きていくのが、もう、どうしようもなく嫌になってしまいます。
――人と人との関係
のことを考えるのが大切なのは――
それを考えることによって――
人の世の中を明るく、楽しく、元気よく生きていけるようになるからです。
『10 歳の頃の貴方へ――』