マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

人と人の関係の望ましい在り方を学ぶための“親孝行”は――

 ある程度(ていど)は、

 ――親孝行(おやこうこう)

 が上手になっていないと――

 人と人との関係を望ましい在(あ)り方にすることは、夢(ゆめ)のまた夢である――

 と、きのう、のべました。

 

 だからこそ――

 人は、

 ――親孝行

 をするのですね。

 

 人と人との関係の望ましい在り方を学ぶために――

 人は、

 ――親孝行

 をしているのです。

 

 ……

 

 ……

 

 もちろん――

 純粋(じゅんすい)に親のことを思って、

 ――親孝行

 をする――

 というのも、あるでしょう。

 

 ――お父さんに喜んでもらいたいから――

 や、

 ――お母さんに安心してもらいたいから――

 といった理由で、

 ――親孝行

 をする――

 

 よいことだと思います。

 

 が――

 それは――

 義務(ぎむ)ではありません。

 

 ――純粋に親のことを思う。

 ということは――

 だれかに強制(きょうせい)をされるべきことではないのです。

 

 あなたが、

 ――親のことを思いたい。

 と心の底から思えるのなら――

 そのように思えばよいのであって――

 

 ムリに思おうとしてはいけないのです。

 

 もちろん――

 親が子どもにムリに思わせようとしてもいけません――当然のことです。

 

 ……

 

 ……

 

 純粋に親のことを思っての、

 ――親孝行

 は、義務ではありません。

 

 が――

 人と人の関係の望ましい在り方を学ぶための、

 ――親孝行

 は、

 (義務である)

 と、ぼくは考えています。

 

 人の世の中を生きていく上で――

 人と人との関係をいかなる相手とも結ばない――

 ということはありえません。

 

 人の世の中では――

 人と人との関係を、だれかと、ぜったいに結ばないといけない――

 

 それも、一人や二人では、ありません。

 何十人、何百人という人たちと、結ばないといけません。

 

 それが人の世の中というものです。

 

 『10 歳の頃の貴方へ――』