人は、だれかと気持ちを分かち合ったり、損得(そんとく)を分け合ったりするために、
――人と人との関係
を作っている――
と、きのう、のべました。
そして――
もし、あなたが、だれかと気持ちを分かち合ったり、損得を分け合ったりしたいと思わないのであれば――
あなたは、どんな人との間にも、
――人と人との関係
を結ぶ必要はない――
とも、のべました。
それは――
その通りなのですが――
……
……
9月4日に、ぼくは、
――人の世の中を生きていく上では、人は“人と人との関係”を、だれかとの間に、ぜったいに結ばないといけない。
と、のべました。
それも、一人や二人とではなくて――
何十人、何百人という人たちとの間に、結ばなければならない、と――
……
……
よって――
もし、あなたが、だれかと気持ちを分かち合ったり、損得を分け合ったりしたいと思わないのであれば――
あなたは、どんな人との間にも、
――人と人との関係
を結ぶ必要はない――
というのは――
その通りですが――
もし、あなたが、本気で、だれとも気持ちを分かち合ったり、損得を分け合ったりしたいと思わないのであれば――
あなたは、おそらく人の世の中を生きていけません。
だれとも気持ちを分かち合ったり、損得を分け合ったりしないで生きていけるほどには――
人の世の中は、あまくはないのですね。
なぜかというと――
あなたのまわりの人たちが、あなたの相手をしなくなるからです。
――え? 気持ちを分かち合うつもりはない? 損得を分け合うつもりはない? そうですか。ああ、それなら、いいんです。あなたとは、これ以上、関わらないようにしますから――
と、いって――
あなたが、どんなに寂(さび)しくしているときでも、どんなに困(こま)っているときでも――
あなたのことを助けてはくれなくなります。
人の世の中で、だれからも助けてもらえなくなったら――
あなたは生きていけません。
少なくとも――
生きるか死ぬかの問題が、純粋(じゅんすい)に運・不運の問題になってしまいます。
『10 歳の頃の貴方へ――』