――偽物(にせもの)の科学(かがく)に騙(だま)されないように――
と、きのう、のべました。
……
……
なぜ、
――科学
に偽物が出てくるのかというと――
それは、
――科学
が、ふつうの、
――学問(がくもん)
よりも人々から信用をされているからです。
だから――
だれかを騙そうとする人は、
――科学
の偽物をたよるのです。
なぜ、
――科学
が、ほかの学問よりも信用をされているかというと――
それは、
――科学
では、
――反証可能性(はんしょうかのうせい)
と、
――再現性(さいげんせい)
とが約束をされているからです。
――反証可能性
とは、
――仮説(かせつ)がまちがっているときは、どこがどんなふうにまちがっているのかが、ハッキリとわかる、ということ
であり、
――再現性
とは、
――実験・観察は何回でも繰(く)りかえすことができて、その度に、結果は、いつでも同じである、ということ
である――
ということは、10月4日から、くりかえし、のべている通りです。
ですから――
科学を信じている人たちは――
これら2つの約束事がきちんとなされているかどうかを、つねに確(たし)かめようとします。
確かめた結果、十分に約束が守られていないとわかったら、
――あ、これは偽物だ。
と見やぶることができるのです。
が――
中には――
科学を何となく信じてしまっているだけの人たちもいます。
そういう人たちは、
――反証可能性
や、
――再現性
といった約束事をよく知らないことが、ほとんどです。
よって――
これら2つの約束事がきちんとなされているかどうかを確かめようがなく――
それで――
偽物の科学にコロっと騙されてしまうのですね。
とくに理由もなく何かを信じてしまうことは――
ふつうは、あまりよいことではありません。
『10 歳の頃の貴方へ――』