――宇宙際(うちゅうさい)タイヒミュラー理論(りろん)
のことをよくわかっている数学者たちというのは――
この理論が発表をされてから間もなくのころ――つまり、2012年から2015年までのころ――には――
世界中で、
――数名だけ――
であったものが――
今では、
――二十数名にも――
なっているらしい――
と、きのう、のべました。
つまり――
二十数名もの数学者たちが、何年間にもわたって、
に重大な関心をもちつづけ――
その結果、この理論に含(ふく)まれているかもしれなかった“根本的な間違(まちが)い”をだれ一人みつけられていないのであるから――
――宇宙際タイヒミュラー理論は正しいに違(ちが)いない。
という雰囲気(ふんいき)が――
数学の世界の中で、少しずつ立ちこめ始めているようである――
と――
……
……
今、
――重大な関心をもちつづけ――
と、のべました。
うらを返すと――
そこまで関心をもちつづけることができなかった数学者たちのなかには、
――宇宙際タイヒミュラー理論は間違っている。
と公言をしている人たちもいる――
ということです。
当然です。
学問というのは――
そのような言い争いを通して発展(はってん)をとげていくのです。
今後、
――宇宙際タイヒミュラー理論は間違っている。
という人たちが――
もう一度この理論に重大な関心をもつには何が必要か――
……
……
それには、
――この理論が、ABC予想の正しさを示(しめ)す以外の目的でも使われるようになり、その結果、「たしかに役に立つ理論である」との報告がなされること
が必要です。
10月30日から、くりかえし、のべているように――
は、もともとは、
――ABC予想
の正しさを示すために考え出された理論でした。
よって――
はじめのころは、
――ABC予想
に重大な関心をもちつづけていた人たちだけが、
に重大な関心をもったのです。
が――
今は、
それ自体に重大な関心をもちつづけている人たちが、少しずつ増(ふ)えています。
そのうちに、
――ABC予想
とは無関係に、
の使われ方が確立(かくりつ)をされていくでしょう。
そうなれば――
今、
――宇宙際タイヒミュラー理論は間違っている。
と公言をしている数学者たちも――
もう一度この理論に重大な関心をもたなければならなくなります。
『10 歳の頃の貴方へ――』